出版社内容情報
ローマ帝国を未曽有の繁栄に導いた鉄人皇帝の崇高なデカダンス！ 真の享楽主義者として闊達に生きた皇帝の瞑想的な魂の遍歴。美童アンティノウスへの深い愛。皇帝みずからが語る歴史論・文明論であり、詩であり、人生論である。澄んだ意識のフィルターをとおしたひとつの人生と帝国の歴史。
内容説明
ローマ帝国を未曽有の繁栄に導いた哲人皇帝の崇高なデカダンス。真の享楽主義として濶達に生きた皇帝の瞑想的な魂の遍歴。美青年アンティノウスへの溺愛。皇帝みずから語る歴史論・文明論であり、詩であり、人生論である。澄んだ意識のフィルターを通したひとつの人生と帝国の歴史。
目次
さまよえるいとおしき魂
多様多種多形
ゆるぎなき大地
黄金時代
厳しい修練
忍耐
作者による覚え書き
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちより
3
緻密に編み上げられた文章から浮かび上がるのは皇帝としてのハドリアヌスであり、また、ひとりの男性としてのハドリアヌスである。死を目前にしても尚淡々と語られる回想からは強靭な精神力と深い孤独が感じられる。歴史上の人物が確かな感情と肉体をもって現れ、創作であることを忘れてしまうぐらい素晴らしい作品だった。感動。2009/09/27
