出版社内容情報
E.M. フォースターが死んだ日に霊感を受けた女性作家、女家主の事故死した子供の幽霊を見てしまった男、母が亡くなって後ひそひそと先祖の話し声が聞こえる隣部屋。大作『ポゼッション』でブッカー賞を受けた英国きっての知性派女流の短篇には、いかにも英国的な、繊細で不気味な雰囲気が漂う。
内容説明
E・M・フォースターが死んだ日に霊感を受けた女性作家、女家主の事故死した子供の幽霊を見てしまった男、母が亡くなって後ひそひそと先祖の話し声が聞こえる隣部屋。大作『ポゼッション』でブッカー賞を受けた英国きっての知性派女流の短篇には、いかにも英国的な、繊細で不気味な雰囲気が滞う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりぱい
4
著者はマーガレット・ドラブルの姉だった!あとがきに来て、母と娘、父と娘、学者としてなど、描くほとんどに著者自身が映されていることを知って、ナイーブな女性が多かったことに少し見方を変える。そうなんだ・・ぐらいのものなのだけど。好みなのは「ラシーヌとテーブルクロス」「気配」。英文学作品や作家がたくさん出てくるのは、文中にまぎれた引用よりも、演出として効果的に使われているのが印象的。磁器などの食まわり、インテリアや服飾などの生活まわりや植物まで、甘めで細かい描写は好きな部分。2010/08/25
ロピケ
3
思った以上に難解で、読むのに手こずりました。イギリス文学の知識があったら深いところまで読みこめたのかなあという気がします。でも、知的で堅いイメージを勝手に作ってたけれど、スピリチュアルな点からも書かれた作品があったり、ミステリータッチの作品があったりで、いろいろな読み応えを感じられる本でした。気に入ったのは「そりかえった断崖」で、静かな世界ながらも劇的で、寂寥感のようなものもあり…。「気配」は主人公の女性が変わっていく様子が良かった。最後にドキリとさせられたけど。2010/09/08