出版社内容情報
7つの短篇と7つの掌篇が織りなす美しく力強い小説世界。シカゴに生まれ育った現代アメリカの最も期待される作家ダイベックは、ユーモアと愛惜をこめてこの古い湖岸の街のたたずまいを、若者たちの友情と孤独を描き出す。ジョイスの『ダブリン市民』にも比肩しうる新しい都会小説の誕生!
内容説明
七つの短篇と七つの掌編が織りなす美しく力強い小説世界。シカゴに生まれ育った現代アメリカの最も期待される作家ダイベックは、ユーモアと愛措をこめてこの古い湖岸の街のたたずまいを、若者たちの友情と孤独を描き出す。ジョイスの『ダブリン市民』にも比肩しうる新しい都会小説の誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミツ
19
“キスが都市を横断する。”冬の窓の曇りガラス、高架下に打ち捨てられた自動車、雪の積もった公園のフェンス。風の街シカゴを舞台にした短編ショートショート集。湖面に反射して揺らめく摩天楼の幻影、街路に並ぶ数多の窓、雑踏の中の幽霊のような人々のざわめき、ショパンを弾くピアノの音、哀切なブルース、コンガを叩くラテンのリズム、ラジオから聞こえる異国の言葉。これらすべてが風のように、音楽のように通り抜けてゆく。あとに残されるのは実体をもたない空虚な残響と、しかし確かにそれはあったのだという確信と、胸の疼きだけである。2015/02/02
たかさん
3
14短篇中半分がSudden fictionでフォントが変えられている。これがまたシカゴの街中の通りがクロスしているような感覚で登場人物も移民が多くその話が目立つがもの悲しい。「いまは真夜中。明日はまだ九三〇〇マイルの彼方にあるように思える」「冬のショパン」「荒廃地域」「夜鷹の黄金海岸」・・・好きだな柴田名訳です。ここはシカゴ、長い夜だ。いや舞台はジェリー・リー・ルイスらのロックンロール時代だ。2015/12/19
ケント
2
風の街シカゴ、訪れたことがない街がだ本に描かれているところになんです郷愁を感じるのだろうか2025/03/10
yoshizawa tutomu
2
ある人のエッセイで紹介されていて気になっていたので借りてみました。短編集として秀逸だと思います。「冬のショパン」「夜鷹」の「何もかも」「失神する女」「ペットミルク」が好みでした。シカゴの中でも下町を舞台にした話で、どこか時代に取り残されたような、哀愁漂う話が多かったです。他の作品も呼んでみたいと思います。2017/10/28
更新停止中
1
久々に再読。何度でも言うけどスタンダードなロックが好きな若い人に読んで欲しい作家。はじめて読んだ時「川端の『掌の小説』っぽいところがあるなあ」と思ったら本当に影響受けててびっくりしたんだけど、多分柴田元幸がわざとそれっぽく翻訳したんだろうな。2010/12/16
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