出版社内容情報
死の直前に刊行された『天球の回転について』によって近世の宇宙観に大革命をもたらした地動説の主唱者、コペルニクス。だが果たして彼は真の宇宙像を表し得たのか? アイルランド・ポストモダン文学の旗手が様々な仕掛けをめぐらして描く新感覚の伝記小説は、読者を知的興奮の渦に巻き込む。
内容説明
死の直前に刊行された『天球の回転について』によって近世の宇宙観に大革命をもたらした地動説の主唱者、コペルニクス。だが果たして彼は真の宇宙像を表し得たのか?アイルランド・ポストモダン文学の旗手がさまざまな仕掛けをめぐらして描く新感覚の伝記小説は、読者を知的興奮の渦に巻き込む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kasim
33
無味乾燥な題で損をしているのでは。バンヴィルが真面目な偉人伝を書くはずもなく、手強いがとても魅力的な作品だった。文字通りのコペルニクス的転回をもたらした当人が、真実は到達できるものではなく自分の発見などどうでもいいと考えるようになる。私たちは言語の牢から出られない、というのが今風に大事な部分なのだが、物語としても変で面白く、特に前半は分身で悪霊でネメシスな兄アンドレアスの存在感が圧倒的。野心的で非情なニコラス青年が疲れて怯えた老人になっていくのも物悲しい。2021/11/04
Mark.jr
2
伝記風なのに伝記的に成りきってない不思議な小説。どこまで史実なのかよく分からないが、印象に残るのは科学を信仰し、真理を追い求めるが故に次第に孤独に自分の内側に沈むコペルニクスの姿で、理系的な目線でも色々と考えさせられてしまう。解説によるとナボコフ的な仕掛けがあるらしく、そういう意味でも玄人向けだとも思う。2018/07/19
よの字
1
シナノキのイメージと共に生まれ、シナノキのイメージと共に死ぬ。目眩くイメージの氾濫に溺れそうになる作品。2010/11/08
littlelielittle
0
ぐるぐる目まぐるしいほどの虚実が入り乱れる。2015/11/27
-
- 和書
- 北京の中国語入門