出版社内容情報
中世ラテン語文学の2傑作、聖と俗を見事に描く『奇跡についての対話』と、中世のベストセラー『ローマ人行状記』から、ヘッセが珠玉の36篇を編集。彼の言葉どおり、「感動的とも言えるほどの詩人のこまやかな心情」を通して、「最もすばらしく最も彩り豊かな映像」「失われた天国」が示されよう。
内容説明
中世ラテン語文学の二傑作、聖と俗を見事に描く『奇跡についての対話』と、中世のベストセラー『ローマ人行状記』から、ヘッセが珠玉の36編を編集。彼の言葉どおり、「感動的とも言えるほどの詩人のこまやかな心情」を通して、「最もすばらしく最も彩り豊かな映像」「失われた天国」が示されよう。
目次
ハイスターバハのカエサリウスの『奇跡についての対話』より
ハイスターバハのカエサリウス(ヘルマン・ヘッセ)
『ローマ人行状記』より
『ローマ人行状記』について(ヘルマン・ヘッセ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
81
ヘッセが中世の書物である『奇跡についての対話』と『ローマン人行状記』から選んだ物語を集めたもの。中世の人たちの素朴な感情に触れることができる。キリスト教の影響が大きいけど、清く正しく生きていたわけではなく、今の私たちと同じように失敗や過ちを犯していたことがよく分かった。日常生活の中に悪魔や神様といった超自然的な存在がひょっこり顔を出すのが面白くて、ホラーやファンタジーのような味わいのある説話もある。心の貧しさ(=愚直さ)を求めている話が多くて、その点は現在の私たちの生き方の参考にすることもできると思う。2014/02/18
Gotoran
39
ヘッセが編集・紹介の中世ドイツで広く読まれていたと云う2つの説話集。ハイスターバハ修道院の副院長カエサルの、13世紀に若い修錬士教育のための神学の教科書『奇跡についての対話』から24編の説話と物語、伝説、説話などを集め、それに聖職者たちが道徳上の教訓、解説を加えた、ローマの歴史や伝説から採られた『ローマ人の行状記』から12編の説話が選ばれ、収録されている。挿絵の木版画が魅力的で、神や罪を犯す人々、悪魔、修道僧等、味があった。ヘッセの解説(初めに、夫々の解説)もあり、非常に興味深かった。2024/01/14
RUR彷徨
2
ヘッセが撰び解説をつけた説話集。前半『奇跡についての対話』(カエサリウス著)のほうが短いものが多く、個人的に面白く思われた。もともとシトー修道会の教義の説明として書かれたものなのに興味深く、読みやすい。2009/10/05
ちび丸
0
★★2009/07/01