出版社内容情報
ブルトンが残した草稿中から、彼の主導のもと、アラゴン、プレヴェール、アルトーら若き日のシュルレアリストたちが、〈性〉について赤裸々に語り合った討議録が発見された。「成熟の年齢」に達する以前のシュルレアリスム運動に新たな照明をあてる一級資料として、大反響を巻き起こした問題の書。
内容説明
ブルトンが残した草稿中から、彼の主導のもと、アラゴン、プレヴェール、アルトーら若き日のシュルレアリストたちが、〈性〉について赤裸々に語り合った討議録が発見された。「成熟の年齢」に達する以前のシュルレアリスム運動に新たな照明をあてる一級資料として、大反響を巻き起こした問題の書。
目次
序―性に関するシュルレアリスムの記録(ジョゼ・ピエール)
性に関する探究
付録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
6
シュルレアリスト達による、性を主題とした討論の記録。そのイメージを裏切るような道徳的かつ俗物的な発言や、芸術と愛の関係を考えさせられる興味深い箇所、また権威主義でマチズモな一面など、参加者達の見えにくい/見せたくないであろう相貌が赤裸々に暴かれている。印象に残ったのは第四回のジェンバックと第六回のアルトー。異素材の混入によってブルトンら正統派の態度が浮き彫りになっていて。二十数年ぶりに再読したが、当時はわからなかった面白みが少しはわかるようになった気がする。2017/04/13
craudeyuri
0
シュルレアリスムと聞くとダリやマグリットといった名前があがることが多いが、文学活動から始まったこと、シュルレアリスムの定義はあまり知られていないし、わからないことも多い。シュルレアリスムの本質や、多様さ、確執、矛盾の一部がこの本から読み取れる。これも氷山の一角だと思う。2012/03/24
奏依然と
0
愛というものをなにか特別なものに捉える人間は『魂』『神秘』などの言葉を多用する傾向にある。自覚的なジェンバックは「ぼくにとっては魂の概念のほうが、精神の概念よりも親しいものなのです」と言った。2018/07/31