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出版社内容情報
装飾的意志とでもいうような目の使い方で宇宙にむかった画家ピサネロ。その作品に秘められた、自然と人間を仕切っている強靱な輪郭、秘密を見破られた自然の画貌、中世説話の織布から隆起して照応しあう形態の妙などを描き切った美術エッセイ。宗達や洛中洛外などにも言及し装飾論一般に及ぶ。
内容説明
ピサネロは15世紀前半のイタリアに生きていた。ヴェローナに残るフレスコ画の傑作〈聖ゲオルギウスと王女〉は、ピサネロの創出になる形態の王国の観を呈しているが、画中には13世紀に小アジアを侵略したジンギスカンの蒙古の残響が聞かれる。ロンドン国立絵画館蔵のテンペラ画には、ピサネロが肖像メダルを彫り刻む壁の音が響いている。カンディンスキーは「内面的必然性」の具体例をピサネロの絵に見つけていた。