白水社アートコレクション<br> ピラネージの黒い脳髄

白水社アートコレクション
ピラネージの黒い脳髄

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  • サイズ A5判/ページ数 105,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784560039328
  • NDC分類 735
  • Cコード C0071

出版社内容情報

 空想と誇大妄想の成果ともいうべき《牢獄》。古代および近代ローマを記録した《風景》。その廃墟の詩情に対する感情を、後世への文学、建築学、都市論への影響を論じつつ、「古代の復元」に賭ける文豪がみずからの夢を幻想の銅版画家の作品1点1点にたくしその魅力を語った見事な美術エッセイ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

12
18世紀の銅版画家ピラネージ(1720-1778)の『幻想の牢獄』を中心に非・図像学的に論じた評論。著者によって、ピラネージの版画は単なる18世紀の版画以上の意味を与えられる。『幻想の牢獄』はある時代においての知の総体から天才が抽出した一つの無限かつ幻視的な世界の表象であり、芸術作品にのみ持つことが許された想起の可能性を持っていると言う。ピラネージの牢獄は未来に予期され、同時にまた我々の延長線上にある世界の見取り図であり、それこそが彼の作品が呼び起こすイメージであり想起の可能性と言い換え得るものであると。2015/04/01

kthyk

2
ユルスナールの見るピラネージは目や手が頭脳より賢い芸術家。彼は同時代のプッサンのようにローマを個人的夢想や叙述的世界の舞台背景を描いわけではなく、建築工事の秘密に迫り、それらの記憶を保存しようとした考古学者であり建築家なのだ。彼が描いたローマの景観や廃墟はありふれたものから異様なものまで、あるがままの都市そのもの。ピラネージのローマの建築はその後は1/3消滅している。建築はドラマであり、ドラマの舞台装置、建築は人間の意思、時との場として、ユルスナールはピラネージを都市デザイナーとして、彼の作品を見ている。2020/10/18

Koki Miyachi

1
廃墟のドローイングで有名なピラネージに関する類い稀な評論。西洋文明が生み出した廃墟という美学的なテーマ。その歴史の中で確固たる地位を占めるピラネージの世界を知ることができる。謎に満ちた神秘的なピラネージの世界を覗く貴重な覗き窓。古く1958年に格調高い日本語訳がなされていたことに改めて驚いた。2012/10/08

よだみな

0
お友だちの形見分け本。ほんの数年前に好きになったピラネージ。もっと早く知っていたなら。2019/02/21

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