出版社内容情報
イタリア・ルネサンスの画家・彫刻家・建築家の生涯を、随所にイタリア人独特の面白い挿話をちりばめながら書き綴ったヴァザーリの「列伝」は、ルネサンス美術研究の重要な文献であるばかりか、ダンテの『神曲』と肩を並べる16世紀の文学作品として、あまりにも有名である。既刊=『続ルネサンス画人伝』『ルネサンス彫刻家建築家列伝』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
訪問者
4
長年の懸案であった『画人伝』を遂に読了。昨今、見られない箱入り本である。白水社は『吉田秀和全集』も途中から箱無しになったな。秀逸なエピソードが多いが、レオナルド・ダ・ヴィンチが予想外に短く(22頁)、ミケランジェロが予想外に長い(141頁)。2024/03/25
逢日
1
いつか読もうと思っていたヴァザーリの歴史的ルネサンス画家評。よくある評伝の様に近代の人が書いたのではなく、当代の人が同時代の人を同じ目線で評価紹介しているのが面白い所。精密さ云々ではなく、時代考証として読みがいがある。2023/12/27
わきが
1
美術書によく「ヴァザーリのルネサンス画人伝によると~」と言及されているので,わくわくして読んだ.ルネサンス期の画家の逸話や功績をまとめた書物.真偽のほどはわからないけれど,ヴァザーリがミケランジェロをとても慕っているのが伝わってくる.ミケランジェロの何でもできる中間管理職感がすさまじかった.後書きではブラウニングの詩が引用されている.その詩で神の威光を視覚的に表現できる芸術家とそれに嫉妬する聖職者の心理が表されていて,秀逸だと思った.2021/09/05
かじかじ。
0
西洋絵画、特にルネサンスの時代の絵に興味があり本書を手に取った。イタリアを代表的なする画家の数々について人となりを含めた内容が記されている。作者の絵だけでは分かり得ない底流に流れる考え方や感情を知ることができて面白かった。かなり骨太な本だったので1度で理解できているとは到底思えないが、絵を鑑賞する前や後に読み返したくなる本だった。2024/02/19