出版社内容情報
ヨーロッパ精神史のパースペクティヴのなかに、ロココから革命にいたる18世紀の芸術・思想・文化の総体を解明した画期的な労作。
内容説明
ヨーロッパ精神史のパースペクティヴのなかに、ロココから革命にいたる18世紀の芸術・思想・文化の総体を解明した画期的な労作。
目次
1 十八世紀の人間空間(行動することと感じること;自由の実験―その政治的・芸術的文脈 ほか)
2 快楽の哲学と神話(感情の審決;女性君臨の虚構 ほか)
3 不安と祭り(祭りとその翌日;偶像破壊の祭り)
4 自然の模倣(忠実なヴィジョン;顔の秘密 ほか)
5 ノスタルジーとユートピア(ありえざる牧歌;廃墟の憂愁 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかふく
1
18世紀の空間がどのような「かたち」を持っていたかという話から官能とグロテスク、残虐の表象性の話、祭りの非―表象性(つまり演劇はルプレゼンタシオンだから)、模倣する(風景画、肖像画)の諸問題、そういった意味で「見えないものを見る」という点でのノスタルジーとユートピアの問題を最後に扱う。つまり「啓蒙(光)・明晰さ・理性といったものに熱中した十八世紀」だったのだ。ということで、『自由の創出』を原題のまま『自由の発明』と訳さなかった(しかも「創出」という訳語をひねり出す苦労を披瀝している!)訳者を「愚か」と2012/12/22
しまりんご
0
18世紀思想史・文学研究者であるスタロビンスキー(スタロバンスキーとも)による芸術論。コンパクトながら概説書の域を出て、18世紀の精神と芸術についての新しい視点が得られる。それまでの王権社会が革命によって覆され、産業や科学技術が発展したこの時代に、人々の間でどのような精神的変革があったのか。2011/09/02