内容説明
過ぎし世の巨匠から当代の新進作曲家へ、あるいは過去の天才、愚物から当代の珍物、才人にいたる種々雑多な音楽家について語りながら、世紀末、1890年代のパリの知的・精神的雰囲気を、克明忠実に伝える好エッセイ。
目次
シューマン『ファウスト』その他
なぜ『ペレアス』を作曲したか
フランス音楽に対するドイツの影響
ヴァンサン・ダンディ『異邦人』
グノー
メアリー・ガーデン
音楽の材料
マスネの死
歳末雑感
コンセール・コロンヌ評
ついに孤立無援
『フランス音楽のための一二の座談会』序〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
14
ワーグナーの示導動機を、名刺を渡しながら名前を読み上げているようだと皮肉をこめて批判する一方、延々と続く退屈な場面の最中に「突然、一切の批評を封じてしまうほど心に滲み通る美しい場面」が現れると書くワーグナーへの両義的な評価、同時代のR.シュトラウスの、特に「ティル」への絶賛などが意外だった。普仏戦争後の敵対的な対独関係の文脈で、オーストリア人マリー・アントワネットの流行らせたグルック以来の独墺音楽の影響からの脱却、ラモー復興、フランス音楽の自律を目指しながらも、独断から自由な鑑識眼に基づく批評。2015/07/25




