出版社内容情報
ベケットとともに不条理演劇の双璧をなすイヨネスコの、コミカルでグロテスクな名作集。表題作のほか、パスティーシュの原点ともいえる『禿の女歌手』、前衛劇のモダン・クラシック『椅子』、ロラン・バルトを皮肉った『アルマ即興』、僅かな言語に荒唐無稽なイメージを湛えた『歩行訓練』を収める。
内容説明
ベケットとともに不条理演劇の双璧をなすイヨネスコの、コミカルでグロテクスな名作集。表題作のほか、パスティーシュの原点ともいえる『禿の女歌手』、前衛劇のモダン・クラシック『椅子』、ロラン・バルトを皮肉った『アルマ即興』、僅かな言語に荒唐無稽なイメージを湛えた『歩行訓練』を収める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
苺畑序音
6
どんな演出がなされるのか、舞台を観てみたい。2017/07/01
秋津
6
偏執狂的なものと、ヒステリックなものを感じて、けっこう不愉快な作品が多かった。カミュともサルトルとも違う不条理。授業と犀が受け入れやすかった。2015/01/29
nightowl
3
久々に読んでいて「なんじゃこりゃあ!?」と叫び出したくなる作品ばかりだった。初心者は何としても「犀」から入ってほしい。先日静岡と上野で上演された、生徒/先生の力関係が逆転する「授業」も仏語での言葉遊びがあり読んでいると疑問符が浮かぶ。町に増えてゆく動物の話「犀」はヒッチコックの「サイコ」「鳥」のように日常的な所から突如非日常へ移るくだりからしてよく出来ている。"いやいやどうぞどうぞ""実に論理的"など現代に応用された台詞も有り。他では現実での対立相手を創作で皮肉るメタフィクションの「アルマ即興」に爆笑。2018/11/25
belier
1
コミカルな不条理劇を楽しめる。しかし「犀」は本当は笑えない怖い話。ここでの、かよわい猫を平気で踏み殺す犀は戦車のイメージだろう。犀と化した人間が正しく美しいものに、人間のままでいることが間違っていて醜いと主人公たちが思ってしまうラストは恐ろしい。友人たちがファシズムになびいていった作者イヨネスコの経験を元にしているという。21世紀日本も首相が迷彩服を着て戦車に乗って人気取りするようになった。近い将来おなじようなことが起こるかもしれない。光文社あたりが新訳文庫として出して、多くの人に読んでほしい逸品。2013/05/03
AnoA
0
椅子2014/07/02