出版社内容情報
国立劇場の芸能部長として、あるいは小道具作家故藤浪与兵衛の弟として、伝統芸能の育成に力を注ぎ続ける著者が、その愛着の強さと造詣の深さを背景に、今日的課題をつづった好エッセイ集。あたかも演劇空間の拡がりを示すかのように、豊かで鋭い問題意識が、縦横無尽にページを駆け巡っている。
目次
1 伝統演劇の成立と展開―人形浄瑠璃と歌舞伎を中心に(語りの系譜;歌舞伎の誕生;文化・文政期の歌舞伎界;幕末の歌舞伎界;明治初期の歌舞伎界;舞台と劇場の変遷;興行略史;江戸から東京へ―歌舞伎小道具業の創立)
2 伝統演劇の保存と振興―国立劇場の22年(国立劇場前史;国立劇場設立準備室のころ;国立劇場の20年;伝統芸能の鑑賞教室;小劇場の歌舞伎公演;歌舞伎再発見に期待される小劇場公演 ほか)
3 比較演劇論の提唱(京劇と歌舞伎;京劇・歌舞伎比較公演の試み;北京の梅家訪問記;中国戯曲学院を訪ねて;歌舞伎の海外公演;歌舞伎ワークショップ ほか)
4 折々に読んだ本から