イスラームから考える

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  • サイズ B6判/ページ数 217p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560031827
  • NDC分類 302.26
  • Cコード C0022

内容説明

ベール、風刺画、原理主義…これらは本当に「イスラーム問題」なのか。イスラーム報道を捉え直す待望の書。酒井啓子さんとの対談「私たちが前提にしている現実はなにか」も収録。

目次

悪の枢軸を笑い飛ばせ
表現の自由という原理主義
「いつアラブの死亡を宣告するのか」
「ベールがなんだっていうの?」
懲りずにフランクフルト
原理を無視する「原理主義」
青年よ、恋をせよ!
翻訳を読むことのむずかしさ
愛国心を育成するということ
私の九・一一
対談 私たちが前提にしている現実はなにか(酒井啓子;師岡カリーマ・エルサムニー)

著者等紹介

師岡カリーマエルサムニー[モロオカカリーマエルサムニー]
1970年、東京にてエジプト人の父と日本人の母のあいだに生まれる。カイロ大学政治経済学部卒業後、ロンドン大学で音楽学士を取得。現在、NHKラジオ日本でアラビア語アナウンサーを務めるかたわら、アラブの文学や歴史に関する執筆活動も行なっている。慶應義塾大学講師、獨協大学講師、NHKテレビ講座「アラビア語会話」講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らぱん

57
2005年のデンマークで起きた「ムハンマド風刺漫画騒動」を受けて書かれた随筆で、公平で真っ当なことを言っている。「表現の自由」は原理主義ではないか。死者を冒涜する行為は知的なのか。疑義を呈した上で、報道されるステレオタイプのイスラム教を正す。その一方でイスラム教徒の一部の誤りや浅薄も指摘する。またアラビア語でないと味わえない「クルアーン」の聖句の音の美しさを解説し、ムハンマドの「男と女は対等だ」の言葉を紹介する。そしてアラブの詩の素晴らしさを語り、文化や芸術に国境は無く人類の遺産なのだと訴える。↓2020/02/03

おさむ

40
日本人がイスラムを考えるうえで貴重な良書です。父がエジプト人、母が日本人である師岡さんの視点から見えて来る、世界は私たちとは全く違うもの。でも、その真摯な姿勢と柔らかい語り口に共感を憶えます。ムハンマドの風刺画問題に伴う表現の自由とイスラムの対立という構図の不毛さを示した「表現の自由という原理主義」は必読。他にもイスラム原理主義という言葉の欺瞞、愛国教育のおかしさ、ヒジャーブを女性抑圧としか見ない短絡さ、メディアがつくるわかりやすさの嘘など、自分の頭と心でイスラムやアラブを考える大切さを教えてくれます。2020/01/12

みねたか@

29
柔らかな語り口。しかし,そこからの切り口は鋭く,心の中に潜む固定観念や無意識のカテゴライズの危うさを抉り出してくれる。巻末に収録された酒井啓子さんとの対談のタイトル「私たちが前提にしている現実は何か」が象徴的。平等・自由の概念,男女の協働,原理主義など。様々な事象について意識せず欧米とイスラームという対立軸を設定し当てはめていないかと,眠りこんだ知性に目覚めなさいと働きかけてくれる。ただし、あくまでも柔らかく。交流を通じて少しずつ人々の持つイメージが変わっていく、そんな世界かわ実現するように。2020/08/17

Yuuki.

23
堅苦しさが無く読みやすい。アラブ人に対する偏見への著者のリアルな感情が伝わってくる。ただし、綺麗事だけでなく、母国やアラブ人の行動について異議も唱えているので、著者は客観的且つ冷静に物事を見る方という印象を受けた。ムハンマド風刺画問題や仏国のヒジャーブ問題に言及している項では、改めてアラブ人やムスリムが1人の人間ではなく、悪い意味で特別視されていることに気付かされる。日本では報道されていない話やアラブの文学など、アラブ諸国やイスラームのステレオタイプ的印象を取り払ってくれる素敵な一冊。2017/09/06

ホースケ

14
イスラームから連想されるもの、それは厳しい戒律のもとでの信仰であったり、男性優位の社会、そして9.11の同時多発テロの衝撃。しかしイスラームについての誤解や偏見、いかに知らないことが多いのかということをこの本から学んだ。複雑化するパレスチナ問題、ムスリム女性が着用するヒジャーブをめぐる論争、何より驚いたのは預言者ムハンマドが「女は男と対等である」という言葉を残していたことだ。また愛国心とは、政府の方針で教えられるものではなく、感性と教養と想像力を伸ばすことこそが大事だという著者の考えに多いに共感した。2019/07/06

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