内容説明
地球上にはさまざまな家がある。家は、そこに生きる人々の暮らしを表わしている。写真家として世界中の民家を訪ねる著者が語る「人を包むかたち」を感じるための一冊。
目次
1 楕円形の家
2 森に浮かぶ大きな家
3 壁のない家
4 壁絵のある家
5 泥の厚い壁
6 曲がったことが好き
7 移動する家
8 泥の空間
9 目がある家
10 ワラの家
著者等紹介
小松義夫[コマツヨシオ]
1945年生まれ。東京綜合写真学校に学ぶ。1年間スタジオカメラマン勤務を経て、南米・東欧を皮切りに世界各国で人の暮らしを中心に取材を続けている。81年にはヒマラヤK2の登山隊にカメラマンとして同行し、ドキュメンタリー番組「K2西壁苦闘の60日」制作に参加。カレンダー「世界のおもしろ住宅」(松下電工)の制作を約20年続けた。現在でも多くの時間を海外取材に費やす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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fu
21
フンデルト・ヴァッサー設計の建物は、直線がなく床すらも曲線でできている。非自然的であるとして直線を嫌った彼の建築物は子どもが描いた絵のようでとても愛らしい。川の段差を利用して洗い上げる洗濯機、その人の生涯が描かれた木の墓標、子供の誕生とともに植えられた木を使い、それを真っすぐに整えたりすることなく曲がったままの柱が使われた家々。大地や自然を感じられない無機質な都会にうんざりしている著者は、世界の人々の暮らす風景を写真に収める。文章より添えられた写真のほうが雄弁に感じられるのはその為だろう。2016/10/08
へへろ~本舗
4
世界各地の(日本人から見たら)変わった家を訪ねた紀行文。ヤマノミ族(南米)のシャボノが気になりました。2021/11/01
ジュースの素
3
何よりもその行動力に驚く。 まだ海外に行くのが一般的でない70年代にも何度も出掛けている。ただ、珍しい家々の羅列ではなくて そこに行き着くまでの困難さや どんな人たちが暮らすのかをじっくり観察して描いているので背景が非常によく解る。家というのはつくづく その地域の気候や材料、人間の暮らしに根ざしたものだなぁと感動を覚える。2014/11/13
ちいくま
2
世界各地の「その土地特有の家」を撮影している、その過程も記されていて、なるほどなるほど…と読み進めました。が、なぜ地図が掲載されてないのでしょう? 知ってて当然またはそのくらい自分で調べてください、なのか?とも思いましたが、せっかくたくさんの国々を紹介してるんだから載せて欲しかったなー2016/04/30
ビシャカナ
1
世界中の建築と、そこに暮らす人々を追い求める著者の軌跡を徒然と綴ったもの。様々な住宅や生活のあり方にモノの見方が広がる。特に好きなのは南スラウェシの家だ。ローカルな風習とチープな作風の家に対し、グローバルな人の繋がりと精緻な造船技術が不思議な感覚を与えてくれる。また、ワラの家もアナログな技術が未来を作るようでおもしろい。ただ現地の言葉や習慣もろくに知らぬまま突き進む著者には歯がゆい思いがある。しかし何十年も世界中を飛び回り多くの功績を重ねる著者には敬服する。きっと、これからも著者は世界を旅するのだろう。2013/04/22
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