目次
古本で遊ぶ方法(雑誌さがし;蔵書死すべし;古本屋を怒らせる方法 ほか)
古本と出会う方法(京洛古本散歩;京洛犬歩当古本屋記;君の名は、五反田 ほか)
古本を読み解く方法(眼の引越;酔いざめ日記;正義と微笑 ほか)
著者等紹介
林哲夫[ハヤシテツオ]
1955年香川県生れ。画家。武蔵野美術大学卒業。1979~80年ヨーロッパ各地に滞在。帰国後、京都に住み、神戸へ移転するも、震災に遭遇して京都に戻る。1999年、古本好きが嵩じて仲間たちと書物雑誌『sumus』を創刊。主に忘れられた出版人の再評価を試みる。2002年、喫茶店の歴史を概観し文学者や画家たちの交遊を描いた著書『喫茶店の時代』で第15回尾崎秀樹記念大衆文学研究賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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災害大嫌い美少女・寺
86
古本好きの絵描きさんである林哲夫の古書エッセイ集。とても良い。関口良雄の名著『昔日の客』にSというイニシャルで出てくる人物が、『気まぐれ美術館』洲之内徹だったとは。広い世間の中には必ず数ヶ所狭い世間がある。京都在住という事で、有名な古書市や古書店について記されていて、行ってみたくなる。しかし林さんやその古書仲間が均一棚から見つけて来る掘り出し物は、私にはマニアック過ぎてさほど羨ましくない(笑)。しかし宝の価値は自分が決めるのだ。私が感応する宝が、誰かと分かちあえるものでありたい。林さん達のように。2020/01/13
さすらいのアリクイ
21
タイトルが面白そうだなと思ったので。古本屋さんや古本市、ヤフオクのことなど古本関連のお話が山ほど載っている本。著者の林哲夫さんは他の古本関連の本で時々お名前を見かけたり書かれたものを読んだことがありましたが、今回この本で林さんの文章を続けて読むと古本界へののめり込み、知識が相当凄い方なんだなと。神戸や京都の古本屋さんの紹介や、古本屋さんが出す古書目録についての部分を読んでいると「はー…」とため息が出てきそうなぐらい情報量が多く、深い。時々古本界の闇の部分もでてきますが、ずっと読んで浸っていたい古本の本。2016/10/27
しんすけ
19
本が大好きな人が、古本に纏わることを書いたエセー集である。 事情が分からなけば糞面白くないかもしれないが、ぼくは面白くって仕方なかった。 古本屋の本業は本を売ることでなく、好きな本を自分の店に揃えることである。 そして古本屋が大嫌いなのは、本を買っていく顧客と称する輩である。 何故ならば、彼らは愛する娘を奪っていく男のようなものだからだ。 だから古本屋の店主と仲良くなるコツは、店主が不要と思っている本を見つけ出すことである。 2022/10/26
阿部義彦
18
図書館本。2007年、白水社刊。画家でありエッセイストでもある林哲夫さんの古本を巡るエッセイ集。同好の士として、岡崎武志さんや南陀楼綾繁さんの名前もでてきます。この本には出てきませんがお亡くなりになった坪内祐三さんとも交流があった方だそうです。仕事柄美術書や著名人のイラストの入った小冊子等には目が無い様です。又奥様の指南の上ヤフオクで古書購入に挑戦される回があって、私も最近中古CD集めに利用してるので、悪質出品者について知るところ大でした。皆さん収納場所には本当に苦労されてる様ですね。2023/04/23
晴
3
画家、林哲夫の古本にまつわるあれこれ。坪内祐三『三茶日記』で名前をお見掛けし、気になっていた方。画家と言う生業のほかにも装幀家で文筆家、更には雑誌の編集人でもあるので、これまでに読んできた古本にまつわる書籍とは違った味わいがあり、面白かった。古本生活と言えば、東京(神保町)を中心に書かれたものを多く読んできたので、京都を主として書かれているのもまた嬉しかった。「京都の三大祭りは?」と聞かれたら、「古書三大祭り」を挙げる人に私もなりたい。2018/01/26