内容説明
ドイツのナンガ・パルバット遠征隊に参加したハラーは、第2次大戦勃発と同時に捕虜となり、インドの抑留所に送られたが、チベットへ向けて脱走を企てる。厳寒のチャンタン高原を越える苦難の旅を経て、禁断の都ラサへ…。そして幼いダライ・ラマとの心あたたまる交友。永遠のベストセラーの完訳。
目次
抑留所と脱走の試み
思いきった変装
副王の居所ガルトク
出発を命ずる手紙
初めて迎えるチベットの正月
忘れ得ぬ眺め、エヴェレスト
盗賊カムバとの危険な出会い
わが相部屋は足枷をつけた罪人
ラサの噂の種となる
チベット外務省から外出許可が出る
チベットに急ぎという言葉はない
ラサの門前のスポーツ祭典
ダライ・ラマの末弟の誕生
念願のダライ・ラマを見る
チベットを訪れた外国人
初めて政府の委託を受ける
ダライ・ラマの僧院訪問
ダライ・ラマのカメラマン
クンデューンと初めて顔をつき合わせる
地震をはじめとする凶兆
ダライ・ラマの逃亡の旅
チベットにおけるわが最後の日々
14年を経て〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
42
ブラピファンならずとも「セブン・イヤー・・」の名を聴いた人は少なくないと思うが、その原作。時は第2次大戦終了~中国のチベット侵攻時まで。アルピニストでもある筆者ハラーが同行者と共にチベットへ漂着するまでの冒険譚が6割強、残りはラサにつき、素晴らしき人間性あふれるチベット人らとの交流や家庭教師まで務めたダライラマとの関わりをボリュームたっぷりの活字で著している。眼前に素晴らしきヒマラヤ等山岳風景が展開するそれはちゃっちい山岳小説の比ではなく、生死を分かつ過酷なものである。2015/07/27
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