出版社内容情報
本当に「ガス室はなかった」のか? このような疑問がいまだに繰り返されている。もう一度アウシュヴィッツの歴史を読み返し、そして今まで歴史家が無視し続けてきた、いわゆる〈アウシュヴィッツの嘘〉を徹底的に分析する必要があるのではないだろうか? 本書はまさにその最良の概説書である。
内容説明
大量虐殺と歴史の偽造の両面を解説。
目次
第1部 アウシュヴィッツの絶滅収容所
第2部 「アウシュヴィッツの嘘」―大量虐殺とその否定
第3部 「アウシュヴィッツの嘘」のその後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛇の婿
11
「ヘイトスピーチ」という名目で言論封殺をしようとしている人間たちというのは、きちんとした根拠を提示しあって議論すると負けちゃうので、一般的な情や正義感に訴えることで相手の主張自体を封じ込め、負けちゃう議論そのものを回避しようとしているのだ、と私は感じます。そういった言論封殺的な行為は逆に、私には不信感しか感じられませんし、この本のテーマを語るときによく引き合いに出される「南京大虐殺や慰安婦の強制連行はなかったと語るのと同列だ」という言説は「じゃホロコーストも無かったんだねw」となるわけですw2014/12/22
Nobuko Hashimoto
9
3部構成。第1部はアウシュヴィッツ絶滅収容所の成り立ちや運用の経緯、第2部はナチスによるユダヤ人の組織的大量虐殺はなかったとする「修正主義」への反論をコンパクトに読みやすくまとめている。第3部は、日本人研究者による、日本における「ガス室はなかった説」(マルコポーロ事件)への反論や、ホロコーストを否定する言説を罰する法律制定の経緯や問題点、修正点などの解説。この第3部を付したのはとても良いと思う。2018/05/25