出版社内容情報
5世紀の中頃、ゲイゼリック王のもとで短期間に西地中海に君臨する一大海上勢力を築き上げたが、ローマ帝国により滅ぼされたヴァンダル族。バンダリズムという、文化財などの破壊行為を意味する不名誉な言葉を後世に残し消え去った、このゲルマン系の一部族の足跡と盛衰を描いた歴史読物。
内容説明
五世紀の中頃、ヴァンダル族はゲイゼリック王のもとで西地中海に君臨する一大海上勢力を短期間で築くが、やがてローマ帝国に滅ぼされてしまった。このゲルマン系の一部族・ヴァンダルの足跡と盛衰を描いた雄大な歴史読物。
目次
1 民族大移動の波濤のひとつ
2 アフリカ
3 国造り…海賊国家?
4 ポスト・ゲイゼリック
5 滅亡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
21
中公文庫版は絶版らしく馴染の古書店でようやく購入でき、嬉しい。西ローマ末期に活躍したゲルマン諸族の中で短くも特異な繁栄を謳歌して滅亡したヴァンダル族の激動の歴史を描く。ローマが役割を終えた当時の地中海世界の情勢を俯瞰でき、その混迷を現代世界へ引き写して考えるのも面白い。民族や国家のたどる運命やその狭間で個人的事情に汲々とする人間の営みは洋の東西、古今を問わず変わることがない。そうした集積が今日我々が知る歴史になるのだと改めて感慨深い。一代の傑物ゲイゼリックとその事績を改めて知れば歴史の徒花的なヴァンダル族2017/08/11