出版社内容情報
ヒトラーと彼を取り巻く政治家や官僚、教会、財界、そして民衆の動向を論じながら、ヒトラーがいかにして権力を獲得し、いかにして「カリスマ」となりえたのかを描きだしていく。
内容説明
ヒトラーはこうして「カリスマ」となった。政界、財界、教会などの伝統的エリート層はなぜヒトラーを受け入れ、そして民衆はそれをどのように受けとめたのか。第三帝国における権力構造を読み解く刺激的な一冊。ヒトラー・ナチズム研究の到達点。
目次
序章 ヒトラーの権力―ひとつの謎
第1章 「理念」の力
第2章 権力の獲得
第3章 抑圧と権力
第4章 国民に支えられた権力
第5章 権力の拡大
第6章 絶対の権力
第7章 権力の傲慢
終章 ヒトラーの権力と破壊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
117
この本は、なぜ軍隊での階級の低かった一介のヒトラーがあのような権力を握るに至ったかを冷静な筆致で描かれています。ドイツの軍部保守層の思惑通り(面白そうな男だから少しやらせてみるか)にいかなかったということで、権力を比較的長期にわたり握ります。林健太郎さんのナチスの関する書物の分析と似ている気がしました。目新しいことはあまりないのですが、認識を再度新たにしました。2016/02/10
Richard Thornburg
11
感想:★★★ ご存知、第三帝国総統閣下について書かれた本で、徹夜本にはなりえないけれど没頭本になりえる本でした(笑) 本書のよかった点は閣下の善悪にとらわれず、あくまで事実に基づいて記してある点ですかね。 アンチセミティズムに関するホロコーストの件にもさらりと・・・ ただ今まで読んできた閣下に関する本と比べて、目新しい情報的なモノは得られませんでした。 閣下のイデオロギーに関する記述も弱め。 もし史実のよくわかっていない人が読むのであれば、巻末の年表とWikipediaでの調査は必須ですね。2016/01/30