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ほとんど記憶のない女

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  • サイズ B6判/ページ数 197p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560027356
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

悪夢的ショート・ショートからリアルな超私小説まで、ちょっとひねくれたあなたに贈る51の短編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

113
訳者解説で、リディア・デイヴィスがポール・オースターと付き合っていたことを知ってびっくり。オースター、あんまり得意じゃないんだけど。この中では異色の「ロイストン卿の旅」面白かったけど、結末、つくづく事実は小説より奇なりだ。2022/01/02

どんぐり

91
ポール・オースターが最初に結婚した相手が作家のリディア・デイヴィス。この本は、わずか数行から数十頁の51編からなる彼女の短編集。果たして、これが小説なのだろうか。なかには、オースターと住み込みで管理人をしていた頃のことを題材にしたと思われる〈サン・マルタン〉も出てくる。特に面白かったのは次の2編だ。世間にはやさしく、身近な夫にとても冷たい〈私たちの優しさ〉と、犬にじゃれかかったと思うと次の瞬間なれなれしいといって殴りつける〈町の男〉。→2025/01/01

めしいらず

62
帯に「ちょっとひねくれたあなたに贈る」とある。最初の3編を読んで虜になった。ある命題をどんどん噛み砕きながら執拗に反復するお笑い的手法。言葉のリズムの心地良さ。そこに皮肉はあるけど教訓はない。名前すら与えられらぬ主人公たちは、「私」という肩書きを持つだけの記号のようで、与えられた条件に知らないうちに自分を擦り寄せてしまう、自我という確固とした拠り所を持たぬ存在。「フーコーとエンピツ」「認める」「俳優」「この状態」「自分の気分」が好み。特に「この状態」の淫猥な想像を掻き立てる書き振りと、最後のオチの面白さ。2017/05/15

まさむ♪ね

47
作家がポール・オースターの元奥さんっていうのと、マグリットの表紙が気になって。51もの話を収めた短編集。そのほとんどが数頁、短いものは数行のものも。一つ一つの話が心を様々の色のざわめきで染めていく。あの名手コルタサルに出会ったときと似た衝撃。とらえどころなく静かにでも力強く深くえぐるような筆の冴えは、わたしの頭の中をぐりぐりと掻き回す。癖になりそうだ、リディア・デイヴィス。もっと読みたい!と思ったけど、短編集の邦訳は今のところこの作品のみ・・・岸本さん、次の翻訳待ってます。長編『話の終わり』を読みながら。2015/04/29

愛玉子

19
なんとなくユアグローの『一人の男が飛行機から飛び降りる』みたいな作品かと思っていたが、かなり印象は違う。あちらがポップでクールで男性的なのに対し、こちらは女性的でしっとりとした感触がある。しかし、メモに書き散らした断片のような文章でありながら、想像力がやたら刺激されるところは似ているかも。『サン・マルタン』の男はポール・オースターがモデルであったことにも驚愕。それにしても岸本さん、へんてこな文章を訳したら並ぶもの無しだな。そこが好きだけど。2010/01/20

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