ミュージアムの思想 (新装版)

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  • サイズ A5判/ページ数 278p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560027196
  • NDC分類 069.04
  • Cコード C1070

内容説明

近代ヨーロッパで国家が、宗教の代りに見出したのが芸術宗教(芸術崇拝)であり、その「神殿」がミュージアムである。「帝国」理念と「国民」国家。西欧のミュージアムの本質を見ていくために、西欧においてミュージアムの基盤となるコレクションがどのように制度化、社会的な公認価値と公共価値を獲得していったかということから見ていく。

目次

序章 ミュージアムとは何か
第1章 コレクションの制度化(コレクション再考;王権と教権;宮廷コレクションの拡大)
第2章 コレクションと帝国理念(世界のカタログ化;政治の視覚化;ユートピアから科学へ)
第3章 ミュージアムの思想(自然の征服;新しい「神殿」の建設;「芸術」の誕生;保存の思想・排除の思想)
終章 ミュージアムの思想の拡がり

著者等紹介

松宮秀治[マツミヤヒデハル]
1941年東京都に生まれ、福島県に育つ。早稲田大学第一文学部(ドイツ文学専攻)卒業。同大学院修士課程・博士課程を経て、立命館大学文学部に職を得て、2006年に同大学定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yoko Narano

1
「ミュージアム」は、暴力的な思想でもある。それは「帝国主義的な世界支配の意図と結果」(=世界中から価値のあるもの、珍しいものを収奪した)であると同時に、ただ集めるだけでなく「西欧の価値観で一元化し、等級づけ、本来それが使われたり信仰されたりしていた場所から引きはがして公開する」、という暴力性。2020/02/01

44no.tmk

0
世界を整理し意味づけ(=支配)する装置としてのミュージアム。視点が新鮮。世界史上での役割として植民地の同質化等に果たした役割なども。著者の他の本も読みたい。2016/01/11

カコ

0
博物館学概論の教科書。ヨーロッパ中心主義を批判しているようで、基本的な思考が向こうの土台に乗っているような…。ここまで言って良いのかという部分もない訳ではないが、博物館という者をこう見ることができるのかという新鮮な驚きが味わえて面白い。2012/06/11

やまもと

0
村上隆の芸術批評が人のマインドセットにフォーカスしたものであるならば、こちらの本はもっと社会と文化にフォーカスした書になっている。「芸術」「文化」「歴史」「科学」を包括的に捉えるミュージアムの思想は面白い。なおかつこれが西欧でない東洋的な価値観を持った私達が触れることに意味がある。ヨーロッパ旅行の前に読みたい。2018/07/01

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