内容説明
午前0時から5時まで、裏風俗店でボディ・トーク!乱交パーティーに集う「肉体関係者」を若者言葉で描く、超リアルな会話劇。第50回岸田國士戯曲賞受賞作品。
著者等紹介
三浦大輔[ミウラダイスケ]
1975年生。早稲田大学卒業。ポツドール主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
セリフの魔力本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
163
誰とでもSEXできる部屋に集う人々。初めは可笑しいほど気詰まりだが、やがて打ち解けると、女子大生とHしたい男がその娘と最初にヤッて執着する青年と揉め、他の客も交えて罵り合いに。そこで彼女が「私は新しい男とヤリたい」と言うのがドライだった。映画だと彼女は何も言わず、後で別の男とSEXしながらふと最初の青年と目が合う。彼女の気持を知らない青年の心の揺れにカメラがべったり寄り添っていく。かくウェットな映画に比べて戯曲は人の内面に立ち入らず、日本語会話の貧しさ・人間の愚かしさを逆手に取った強かな劇に仕立てている。2023/11/07
吉田あや
62
人間の「性欲」という欲望を俯瞰で見る会話劇。「ただSEXがしたい」という目的のみで裏風俗店に集まった男女。文字が舞台を駆け巡るように立体感を持って躍動し展開されていく物語。バスタオル1枚を纏い、知らない者同士空気を探りながらポツポツと交わされていたぎこちない会話も、一端SEXに至ると一気に本音も欲望も剥き出しとなっていく。愛情を介在させない欲求(本能)としてのSEXから見えてくる人間模様の可笑しみと欲望と本質。心が本質か、体が本質か。愛情がないと人間も至ってシンプルに動物だ。2015/10/19
たま
16
何かで紹介されていて手に取ったのですが、人にはおすすめしにくい…でも面白かったです。舞台は乱交パーティーで参加者は欲望だらけのはずなんだけど、やっぱり人間、なかなか理性って捨てられないものだということ、ああいう特殊な場においても日常と変わらず"演じる"習性のあることを改めて感じました。打ち解けるまでの気まずさ、行為前の微妙なやり取りがとても人間臭くてクスリと笑ってしまいます。本作は岸田国士戯曲賞受賞作ということで、他の受賞作や戯曲そのものにも興味が湧きました。2013/09/15
桜もち 太郎
13
第50回岸田國士戯曲賞受賞作品。戯曲会の直木賞に値するらしい。以前本谷有希子の岸田賞を読んだが、今回の作品は随分趣が違う。裏風俗である乱交パーティー一夜の物語だ。最近こういった事件が摘発されましたよね。でも何となく興味があるところ。しかしあまりのめり込めなかったなぁ。こういった作品はやはり演劇で見る方がいいのかもしれない。どうやって演劇化したのだろう。映画では門脇麦主演であったような気がする。唯一共感できたのは「私はすぐやらせるんで声かけてください」バッチがあったらいいなというところ。男の妄想ですよね。2022/07/23
りえこ
7
この作品が岸田戯曲賞なんて、すごいなー。とても読みやすい。2013/05/02