出版社内容情報
ビザンツ帝国1000年の歴史を、政治の転換点に皇帝の妃となった、庶民から王女までの女性たちの人生を通して読む。旧版の8人にこのたび2人加え、4世紀末の古代ローマ帝国東西分裂から15世紀のコンスタンティノープル陥落、帝国滅亡まで、基本的におおよそ100年ごと合計10人で帝国の歴史を描き出すかたちとなった。
黄金の満ち溢れるきらびやかな文化と、帝位をめぐる血なまぐさい陰謀にいろどられたビザンツ帝国。異教徒の出身で皇妃になった哲学者の娘、元踊り子の女傑、近親相姦の非難を浴びた女性、夫・愛人・舅を次々に殺したといわれる絶世の美女、数奇な運命をたどったフランス王女、最後の皇帝の母……。みなそれぞれ、その時代の女性に可能な手段で人生を切り拓こうとし、ある者はみずから帝位についた。彼女らは、ひとりの人間であるとともに、それを超えた存在、いわば時代の象徴であった。
あくまでも史料に即して書かれた歴史書でありつつ、文学的なおもしろさ・読み応えをそなえた1冊。政治や宗教の変動の中に、人間の哀歓が浮かび上がる。
【目次】
皇妃たちの生きた世界――ビザンツ帝国へのいざない
1 アテナイス=エウドキア(四〇一~四六〇年)
ふたつの世界を生きた悲劇のシンデレラ
2 テオドラ(四九七頃~五四八年)
「パンとサーカス」に咲き残った大輪の花
3 マルティナ(六〇五?~六四一年以降)
近親相姦の罪に泣いた心優しい姪
4 エイレーネー(七五二頃~八〇三年)
権力の魔性に溺れた聖なる母
5 テオファノ(九四一頃~九七六年以降)
戦う男たちを飾る妖しい花
6 エイレーネー・ドゥーカイナ(一〇六七~一一三三年?)
新しい時代を生きた名門貴族の令嬢
7 ピロシュカ=エイレーネー(一〇八八~一一三四年)
ハンガリー王女の幸せ
8 アニェス=アンナ(一一七一/二~一二〇四年以降)
ふたつの祖国を喪ったフランス王女
9 ジョヴァンナ=アンナ(一三〇六頃~一三六五年頃)
内乱を生き抜いた迷える皇太后
10 ヘレネ・パライオロギナ(?~一四五〇年)
謎に包まれた最後の皇帝の母
本書のなりたち――あとがきに代えて
Uブックス版へのあとがき
増補版へのあとがき



