内容説明
ついに明らかになったメルロ=ポンティの全貌。現象学・言語学・心理学・芸術…それらとの「接触」から生まれ出る「驚き」の哲学は、予期せぬ他者をも受容し、「ドグマ」なき表現の沃野に解き放たれる。
目次
初期メルロ=ポンティを読む
『行動の構造』
『知覚の現象学』
『ヒューマニズムとテロル』から『弁証法の冒険』へ
『シーニュ』
『眼と精神』
『見えるものと見えないもの』
著者等紹介
加賀野井秀一[カガノイシュウイチ]
1950年、高知市生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。同大学大学院博士前期課程修了後、パリ大学(第八)大学院に学ぶ。現在、中央大学理工学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bartleby
12
私と世界(あるいは他者)とがまだ分離していない状態、私が世界に内属し、かつ世界へ向かっている有り様を彼は語ろうとし続けていた。メルロ=ポンティの知覚論から政治思想、幼児心理学から芸術論までを包括的に、一貫性をもたせて平易に説明してくれていて、彼の思想の、その輪郭がようやく掴めた気がする。2013/10/20
スミレ雲
5
読みやすかった。飛ばして読んだ箇所もありますが。現実を意識しつづけた人って印象です。知覚、言語そして身体を考え、二元論的に考えしまいそうなところをそのつながりを考えるところが好きです。2016/07/17
masawo
3
図書館本。メルロポンティの主要著書を年代順に解説。同時代の思想家たちとの小ネタ的なエピソードを随所に挟みながら、メルロポンティが言わんとしていたことについて噛み砕いた表現で教えてくれる。著者はお喋り好きで人の良いおっさんという印象。2019/10/08
Bevel
3
おもしろかった。読みやすいし、わかりやすいし、かゆいところに手が届くと感じた。ある目的のためには、なんでも全部使うというところ、好きだなあと思う。おもしろそうだというときに、メルロ=ポンティが死んでしまったのは本当に残念だと感じる。2011/06/10
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2
テクストと生に寄り添って, その思想が描かれた一冊. 優れた入門書だと思う. 2015/09/25