内容説明
ハイデガーが主著の『存在と時間』によって確立された自己の存在論的基盤を踏まえつつ、ニーチェという巨大な現象と対決し、それを通して新たな哲学的視点を切り開いた思索のドキュメント。代表的なニーチェ論の一つである。1936‐42年に行なわれた6つの講義と4つの論文で構成される。
目次
第6講 ニーチェの形而上学(力への意志;ニヒリズム;同一物の永劫回帰 ほか)
第7講 ニヒリズムの存在史的規定
第8講 存在の歴史としての形而上学(形而上学の本質開始における何‐存在と事実‐存在。イデアとエネルゲイア;エネルゲイアから現実性への変移;真理の確実性への変移 ほか)
第9講 形而上学としての存在の歴史―草案(存在の歴史より;近代形而上学の本質規定;対象性‐超越性‐一体性‐存在(カント『純粋理性批判』第十六節) ほか)
第10講 形而上学への回想