内容説明
「意味がない、それがいい」「なんでもない、そして愛おしい」を求め、めまぐるしく論考の対象と手法を変えつづけたR.B.。死の直前まで“新たな生”を希求したダンディストの軌跡をあぶりだす、出色の論考。
目次
『エクリチュールのゼロ度』
『神話作用』
『エッフェル塔』
『モードの体系』
『記号の帝国』
『テクストの快楽』
『ロラン・バルトによるロラン・バルト』
『恋愛のディスクール・断章』
『開講講義』
『明るい部屋 写真についての覚書』
著者等紹介
渡辺諒[ワタナベリョウ]
1952年生。早稲田大学卒。パリ第一大学哲学博士号取得。早稲田大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あなた
4
ためらいがちながらも筆者の立場が明確なので非常にさくさく読めた。バルトの概説というのは非常に逆説的なことだと誰しも思うが、それでもわたしたちは愛で散逸したままに、瞬間のエクリチュールとして、バルトを指し示すことができる。ジョナサン・カラー『ロラン・バルト』もおすすめ。読書メーターにはないけど 2010/07/03
しんだもずく
1
「おわりに」に書かれているように著者による一種のアンソロジーといった趣きで、バルトの主要著作を概観できるようになっている。著者自身「バルトの誘い水になるような入門書を」というつもりで書いた本ということで、けっしてわかりやすく解説する類の入門書ではないが、そのぶんバルトの思想をつまみ食いできるちょうど良さが心地よい感じだった2021/11/07