出版社内容情報
過去をもたぬ純粋知覚と、過去と現在を総合し蓄積する記憶力の二つが交錯する現実の意識相を解明し、現象学の先駆けをなした主著。
内容説明
過去をもたぬ純粋知覚と、過去と現在を総合し蓄積する記憶力の二つが交錯する現実の意識相を解明し、現象学の先駆けをなした主著。
目次
第1章 表象作用のためのイマージュの選択について―身体の役割(現実的行動と可能的行動;表象 ほか)
第2章 イマージュの再認について―記憶力と脳(記憶力の二形式;再認一般について ほか)
第3章 イマージュの残存について―記憶力と精神(純粋記憶;現在とはなにか ほか)
第4章 イマージュの限定と固定について―知覚と物質、心と身体(二元論の問題;従うべき方法 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bevel
5
「感官をひらけば知覚され、とざせば認められない幾多のイマージュ」は、主体の内側ではなく、外側に広がり(extension)として実在する。この実在性を理解することこそが物質と記憶の一番難しいし、面白いところだと思う。ベルクソンには、図式として、知覚に運動可能性を与える記憶と、全てを記録し想起可能性を担保する記憶、という二種類の記憶があり、後者の記憶が脳という物理的制約を超えている、という言明がその鍵を握るのではないか。2012/05/22
たけ
0
頑張って最後まで読んだが、力不足で理解できなかった。また、他も読んだあとに、リトライしたい。2015/02/14
雁林院溟齋居士(雁林)
0
目下研究中の書物。「イマージュ」、その再認、純粋知覚、純粋記憶、緊張と収縮・・・という独特の道具立てで語られていく心身問題及び物質と精神という二元論を巡る形而上学の書。以前は合田訳で読んだがこの訳の方が読む分は苦労が少なかった。2012/09/11