キルケゴール著作集 〈１６〉 愛のわざ 第２部 武藤一雄

セーレーン・オービエ・キールケゴール

白水社（1995/10発売）

• サイズ B6判／ページ数 288p／高さ 20cm
• 商品コード 9784560023334
• NDC分類 139
• Cコード C1310

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[いとう・しんご]

マタイ22:39を引いて神への愛と隣人愛は「似ている」と言いながら、実は等価であるとキルケゴールは考えているのです。ならば、自然的な愛、つまり夫婦や家族の愛は、隣人愛の一部とされ、それ独自の愛の在り方としては否定されてしまうのであり、それが婚約破棄の背景にあったのだろうと思います。本書2巻を読むと、ヤスパースがキルケゴールとニーチェは思想の極限まで歩みきった偉大な「例外者」であるが、誰もその生き方に従えない、といった理由が良く分るのでした。

2023/06/08