出版社内容情報
良木を求めて山野を移動・漂泊し、手挽きろくろを用いて椀などを製造した人々を、近世に広く木地屋と呼んだ。その移動・漂泊の跡を精査し、漂泊生業者論・諸職史論の視角から、彼らの生活実態と文化史的意義を追究する。単なる民俗学の領域を超え、日本社会の裏面史に深く切り込む必読の好著!
内容説明
良木を求めて山野を移動・漂泊し、手挽きろくろを用いて椀などを作った人々を、近世に広く木地屋と呼んだその移動・漂泊の跡を精査し、漂泊生業者論・諸職史論の視角から、彼らの生活実態と文化史的意義を追究する。単なる民俗学の領域を超え、日本社会の裏面史に深く切り込む必読の好著。
目次
序章 木地屋の世界
第1部 小野神の転生(漂泊者と伝説;共同幻想の小野宮;木地屋と山の信仰;漆祖伝承覚書;生きている敗者としての惟喬像)
第2部 諸職としての中世的位相(近江商人と木地屋;筒井根源丹―木地屋の医方と薬方覚書;阿野定盛にて候;木地屋と海;渡り論と境界論)
第3部 ろくろ・挽き物の視座(ろくろしかあと―木地屋と地名;コマヒキ考;手挽きろくろの爪;椀木地取引と椀無尽;木地挽き物)
終章 漂泊生業者再見