出版社内容情報
カフカの世界、それは名状しがたい不安の告白であり、日常生活における《ある闘い》の記録である。深い実存の寓意は、あらゆる解釈を受け入れ、同時に鋭く拒否する。――本書はカフカが書き残した多くのアフォリズムと日記を編纂したものであり、さまざまな謎を秘めた彼の文学を映す鏡である。
内容説明
カフカが書き残した多くのアフォリズムと日記、それはくめどもつきぬ豊かさと同時に、さまざまな謎を秘めた彼の文学を映す鏡。
目次
罪・苦悩・希望・ほんとうの道についての考察
八つ折判のノートから
断章から
日記から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねむ
6
仕事の参考資料。カフカの作品は特に好みではないのだけど、彼の考えていたことには結構共感できるところが多くてびっくり。たしかに気が合う友達だって趣味はそれぞれだもんね、と身近なところに引き寄せて納得。2021/04/23
Tonex
4
カフカの遺稿と日記から、アフォリズム的表現や比喩などを抜き出したもの。カフカをモラリスト的な思想家としてとらえている時点で時代を感じる。(1970年発行、1996年新装復刊)▼同じようなカフカのアフォリズム集として『夢・アフォリズム・詩』(平凡社ライブラリー、1996年)という本があるが、編訳者の吉田仙太郎があとがきに書いているとおり、カフカの言葉は〈人生訓〉などというものとはほど遠い。▼頭木弘樹編訳の『絶望名人カフカの人生論』(新潮社、2011年)も今考えると「名言集」というキャッチフレーズが微妙。2016/01/06
meditation
2
カフカのアフォリズム集。なぜかわからないけど、妙に心にからみつく言葉がいくつもありました――。 《あらゆる人間の欠点は、短気である》とか《ある地点からはもうもどることができない。しかし、この地点に到達することはできる》などなど。
あなた
1
学者じみていないという点で、名訳だとおもう。2009/07/06
ばろやん
0
知っていることとそれを使うことは全く違う。カフカはいろいろなことを知っていたが、それを生かさなかったと思う。ただ、生かしたからといってなにかが変わるわけではないとしいていたと思うが。2013/02/13
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