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出版社内容情報
謎掛けスタイルの見出しを設け、部分拡大図と解説を交えて見どころを紹介。往時の風景と旅情を再現した本作の秘密に細部から迫る。
【著者紹介】
町田市立国際版画美術館学芸員
内容説明
揃い55図全点の見どころを、原寸を超えるスーパー・クローズアップで紹介する広重の「東海道五拾三次」初めての試み。
目次
日本橋 朝之景―なぜ日本橋は正面を向いているのか?
品川 日之出―大名行列に土下座しなくて大丈夫?
川崎 六郷渡舟―視線をみちびく構図の仕掛けとは?
神奈川 台之景―自然と人物、ほかにどんな対比が?
保土ヶ谷 新町橋―橋の向こうの旅人たちが意味するものは?
戸塚 元町別道―なぜ、ここに「こめや」の看板が?
藤沢 遊行寺―鳥居は何を物語るのか?
平塚 縄手道―主役は行き交う旅人か、それとも?
大礒 虎ヶ雨―その日、大磯はなぜ雨だったのか?
小田原 酒匂川―広重の観察眼の冴えはどこに?〔ほか〕
著者等紹介
佐々木守俊[ササキモリトシ]
町田市立国際版画美術館学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
272
本書は広重の『東海道五拾三次』だが、評価の高い保永堂版(町田市立国際版画美術館蔵)を用いている。タイトルにはまた、「謎解き」を謳っているが、謎解きというほどのものではなく、それぞれの絵の見方、解説が施されているといったところ。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』なども出版され、世は空前の東海道ブーム。その勢いに乗ったのが弱小書肆の保永堂。これまた大当たりだったようだ。人物像に目を向けると、それらは写実的であると同時に、意外にも漫画チックである。また、選び取られたそれぞれの場面は映像的でもある。江戸庶民にとって⇒2025/01/21
アセロラ
8
広重のこれらの絵が版画だということ、知りませんでした。何回目に摺ったかによって色の出方が変わり、出なくなる色、手直しした配色など、違いもあるそうです。富士山が描かれていない絵が意外と多いことにも驚きました。当時の旅人の様子や、絵を見て旅を夢見る人々の様子を、想像しながら拝見しました。江戸文化、富士山、絵画初心者の私にもとてもわかりやすくて、おすすめです。図書館本ですが、また借りて復習したいくらいです。2020/01/07
CapH17
8
蒲原の絵をネットで見て、何故蒲原で積雪?って思ったことが読んだきっかけ。江戸時代は寒い時代だったらしいが、太平洋側の静岡県でここまで雪は降らないっしょ。この本を読んで疑問は解消されなかったけど、東海道沿線は昔も今も名所や名物が多いなと感じた。旅行に行きたい。2017/04/09
クラムボン
7
町田市の国際版画美術館が所蔵する、広重の東海道五拾三次の版画についての、当学芸員の解説本です。見開きページの右側は版画全体と解説、左側は一部をクローズアップした詳細の構成です。特に絵の拡大はありがたかった。学芸員らしい解説でして、構図と刷りの技術に重きを置いてます、摺りの良し悪しで作品の質に雲泥の差が出来ることを強調されてます。謎解き浮世絵叢書シリーズの一冊、でも謎解きしてますかね〜? 蒲原の雪景色についても、名作である理由は述べてますが、温暖な静岡の蒲原がなぜ雪国の風景なのかは触れてません。2020/12/07
ポメ子
7
各宿の全体図とともに部分的な箇所も掲載されているので、描かれた人物の表情もわかりやすい。しかも名物や、名所が描かれていてそれについての説明も詳しく理解しやすいので、江戸時代の旅、宿場の様子が垣間見れた。2020/10/24