内容説明
とざされた森のなかの城で、百年の眠りについた美しい姫君は…あのおとぎ話をテーマにつむぎ出されたバーン=ジョーンズの知られざる名作。あなたの前に、夢とメルヘンの国への扉が静かに開かれてゆきます。みつけた!わたしの感性。平成21年度児童福祉文化賞受賞。
目次
旅立ち、友情
眠れる森の美女をめぐって
百年の魔法が解けるとき
ふたつの「眠り姫」
愛を探し求める魂
王とはだしの娘
生命を得る彫像
階段を降りる乙女たち
女神ヴィーナスの鏡
不吉な首
とらわれの魔術師
深海の誘惑者
著者等紹介
バーン=ジョーンズ[バーンジョーンズ][Burne‐Jones]
1833年8月28日イギリスのバーミンガムに生まれる。1853年オクスフォード大学に入学。1856年画家を志してロセッティと出会う。1898年6月16日ロンドンで死去
利倉隆[トシクラタカシ]
1950年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業(美学美術史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
73
画家の生涯とともにその作品を詳しく解説するシリーズ、バーン=ジョーンズ編。作品どころか名前もあまり知らない感じではあったけど、「いばら姫」の連作から感じられる美意識とかストーリー性、統一感などが興味深かった。そしてボッティチェリにも影響を受けたとかで「レバノンの花嫁」など柔らかい線と色で描かれた作品の美しさにも心惹かれるものがあった。2015/10/04
コットン
52
バーン=ジョーンズ卿の絵とその解説。比較的大判な絵が良い。2024/04/26
cozicozy
22
好きな画家の一人です。以前、図書館で借りましたが、借りたという安心感で、通常モードの読んだ気分になってしまって、返却日を迎えることになった多くの図書館本の一冊。その時が、読む時ではなかったと勝手に解釈です。図書館、いつも読書をする場所の近くには、芸術関連の棚があります。そのなかに、ありました。呼ばれたんだと、思います。^^展覧会で、実物の作品を観ているので、喰い入るように貪りつくように読み進めました。解説があると、より作品を知ることができます。バーン=ジョーンズの作品に、更に関心が強くなりました。好きな画2013/08/05
井月 奎(いづき けい)
18
バーン=ジョーンズの絵から「眠り」に焦点をあてた画集です。設定が分かりづらい絵を多く描いた画家ですが、一方では物語絵の傑作も多く残しています。では前者は設定が曖昧なのでしょうか、違います。画家は鑑賞者に創作してもらうこと望んでいるのでしょう。眠りは蓄積したイメージをまとめる時間でもあるので、自らの絵を鑑賞者のイメージに手渡して完成を望んでいるのです。芸術の本質の一つを問うているだと思います。マーリンはニミュエに欺かれて永遠の眠りにつきますが、描かれた二人の表情からはいくつもの物語が読み取れます。2015/09/03
ごへいもち
17
初めて聞く名前の画家。ウィリアムモリスの親友でダンテガブリエルロセッティの弟子。そういえば似てるかも。好きかと言われると微妙。2013/10/10