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ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて

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  • サイズ B6判/ページ数 335p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784544053067
  • NDC分類 253.07
  • Cコード C0098

内容説明

アメリカの「最良にして最も聡明な」人びとが、なぜ、ベトナム戦争という非道かつ愚かな泥沼へとアメリカを引きずりこんでいったかを、その権力深奥部の人間ドラマに重ね合わせて見事に描き出し、ハルバースタムの名を伝説的にした記念碑的な名著。権力の上層に結集するエリートたちが、その傲慢と偽善のゆえに愚行を重ねてゆくさまを、そして組織の政策決定・権力行使にたえず潜在する危険性を、鮮烈にえぐり出す。ルーズヴェルトからトルーマン、マッカーシズム、栄光と興奮に憑かれたケネディの時代、自ら盲目になったジョンソンのアメリカ、そしてウォーターゲートへの道―苦悩と挫折のアメリカ現代史を、卓越した明晰さと知性でビビッドに描いた、これぞニュー・ジャーナリズムの傑作。

目次

第1章 ケネディとエスタブリッシュメント
第2章 リベラルと非リベラルのはざまで
第3章 凡庸にして無難の効用
第4章 ワシントンに参集した超エリートたち
第5章 賢者の愚行の発端
第6章 合理主義と行動の時代
第7章 反共主義という幻想の遺産
第8章 ベトナム・コミットメント
第9章 分岐点・ケネディの妥協
第10章 奈落に向かう渦巻き

著者等紹介

ハルバースタム,デイヴィッド[ハルバースタム,デイヴィッド][Halberstam,David]
アメリカ最高のジャーナリストにして作家。1934年生まれ。ハーバード大学を卒業後、南部地方紙の記者を経て60年ニューヨーク・タイムズに入社。62~64年ベトナム特派員を志願、その勇気ある報道でピューリッツァー賞を受賞。67年以降は著述活動に専念、ニュー・ジャーナリズムの旗手として優れた著作を発表。2007年自動車事故で死去

浅野輔[アサノタスク]
国際政治学者。1936年石川県生まれ。東京外国語大学英米科、ペンシルバニア大学、コロンビア大学大学院修了。新潟大学・東京国際大学教授、TBSニュースキャスター、ニューズウィーク日本版初代編集長などを歴任。2000年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shin

18
職場の先輩の推薦書。この時代の背景知識が乏しいことを痛感しつつ、Wikipeiaと行き来しながらJ.F.ケネディ政権の成立前後の顛末を知る。ベトナム戦争の泥沼に入っていくのは中巻以降のようだが、その状況を作り出すであろう伏線(マッカーシズムとか)は既に見え隠れする。「ベスト&ブライテスト」というタイトルが、単なる一国一時代への皮肉ではなく、人類史における不可避のパラドクスのような響きに聞こえる予感がヒシヒシとする。2016/01/05

鮫島英一

15
前半は政権の成り立ちや構成員の紹介なので、正直忍耐を要する。だが一旦時計の針を戻し、アイゼンハワー政権時代からの経緯を語るあたりから面白くなり、ベトナム戦争へ徐々に引きずりこまれていくところはかなり良い。読んでいて気付いたのは、どことなくアフガニスタンやイラクで泥沼にはまった点は似通っている点だ。ベトナム戦争は航空機に対する過信、アフガニスタンやイラクはハイテク兵器と特殊部隊に対する過信。そして現地の実情を無視した傲慢さが、現地の信頼を損ねていく様はそっくりではないか。歴史は繰り返すということなのだろう。2022/05/09

Satoshi

11
有名なドキュメンタリー。ベトナム戦争への流れが時代順に解説されているかと思っていたが、人物に焦点を当てているため、時代が前後し、少し読みにくいところがある。国務長官の人選など、専門性を無視して各キーマンに気を使いながら決めていくあたりが、日本の組閣と似ていて興味深い。どれだけ優秀な人材でも時代の流れ(当時ではマッカーシズムなど)には逆らえないのだなと実感した。2022/09/17

MUNEKAZ

10
著名なジャーナリストによる傑作ノンフィクション。輝かしい経歴に彩られたケネディ政権のエリートたちが、なぜベトナム戦争という泥沼にはまり込んでいったのかを描く。インドシナの現実を見ず、内輪の理論に拘泥する高官たちや議会との駆け引きで歪んでいく政策、そしてマッカーシズムの爪痕でアジアに詳しい高官がいないなど「これはアカン」のオンパレード。思わず戦前日本の中国侵略を想起して、自滅する組織というのは不変の存在なのだなと思ったり。また空軍力への盲信が再三警告されており、確かに空爆「だけ」じゃ国家は降伏しないよねと。2020/11/03

ばんだねいっぺい

5
 ケネディ政権のベスト&ブライテストたち(超のつくエリート閣僚たち)が反共レトリック、軍事力への盲信、アジアへの無理解などなどに振り回されて、傍らから見れば、「えっ?やめれたんじゃないの?」と思うのに、一進一退を繰り返しながら結局ベトナム戦争の泥沼にズブズブ沈んでいきましたよというおはなし。2015/09/21

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