内容説明
“アセット(asset)”とは“資産”を意味する英単語です。この規格が対象とする“アセット”は有形から無形のものまでとても幅広いものですが、最も活用が期待される分野は、橋や道路、上下水道などの社会インフラです。日本では現在、社会インフラの老朽化が急速に進んでおり、これらの破損や倒壊による悲惨な事故も発生しています。“アセット”の適切な運用・維持管理のために誕生したのが、国際規格ISO 55000シリーズです(2014年1月発行)。
目次
第1章 アセットマネジメントシステムの概要(アセットマネジメント;規格策定の経緯;ISO 55000によるアセットマネジメントの概要と原則)
第2章 ISO 55001の逐条解説(適用範囲;用語及び定義;組織の状況;リーダーシップ;計画;支援;運用;派フォー満□ぬ評価;改善)
第3章 アセットマネジメントシステム事例紹介(下水道分野の事例;道路分野の事例;プラント分野の事例;イギリス国内の事例(道路分野、鉄道分野))
著者等紹介
河野広隆[カワノヒロタカ]
ISO 55001要求事項の解説編集委員会委員長。京都大学経営管理大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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禿童子
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技術は一流だが経営(マネジメント)が三流の日本は、特に社会資本(鉄道、高速道路、水道・ガス・電気設備、高層ビル、トンネルなど)維持や更新に対する考え方(アセットマネジメント)が立ち遅れている。高度成長期に建設されたアセットの老朽化に有効な対策を取る必要からもこの分野の標準規格の意味は大きい。2014年に登場した新顔のISO 50000シリーズも、老舗のISO 9000規格(品質マネジメント)と共通の考え方、例えば、PDCAサイクル、マネジメントレビュー、継続的改善などから出来上がっていることが理解できた。2017/08/07