内容説明
本書は、日本の農業経済学が膨大な研究蓄積を持つ、地域農業の再生産構造の分析と同じように、理論的な厳密さを貫徹させることによって、農協論を再構築しようとするものである。表題の通り、本書は地域農業再編機能を主たる研究対象としたが、現在の日本農業の構造変動において期待される、新しい農協の役割としてこれを位置づけている。そして、現在の日本農業の構造変動の実態を分析した上で、従来の農協論を批判的に継承し、再構築しようとするものである。
目次
序章 本書の背景と課題
第1章 農協と農業生産過程に関する学説史
第2章 農協の地域農業再編機能に関する理論的検討
第3章 生産部会と専業的農家の再生産構造
第4章 生産部会における農協の関与の方法とその性格
第5章 地域営農集団を対象とした農協による地域農業再編
第6章 農協出資農業生産法人の類型と農協出資の性格
第7章 農協出資農業生産法人の立脚する農地貸借の構造
第8章 兼業滞留構造の後退と農協出資農業生産法人
第9章 要約と結論
著者等紹介
野中章久[ノナカアキヒサ]
1962年埼玉県生まれ。明治大学農学部農業経済学科卒。法政大学経済学部経済学科中退。明治大学大学院農学研究科農業経済学専攻博士後期課程中退。京都大学博士(農学)。現在、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構東北農業研究センター総合研究部主任研究官
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