内容説明
本書は、日本・アジア零細小農構造の経済発展と両立する近代的再編成のために、欧米との歴史的条件の差異を埋めるべき今日的な課題を明らかにし、その一環として世界貿易の枠組み(WTO)における日本、アジア農業の共通軸に立った特別措置の必然性を提示している。戦後「民主化」と「農地改革」に内在するその歴史進歩と下からの不十分さの対抗関係の螺旋展開を通して、今日的な把握を試みた。
目次
第1章 分析の視座“市民社会陶冶”の論理
第2章 経済発展と食料・農業の東西比較
第3章 農業と経済発展両立の歴史的条件
第4章 日本とアジア、ラテンアメリカの農地改革
第5章 自作小農から産業型自立経営への展開―農地改革の意義と欠落を引き継ぐ新たな課題
第6章 経済発展と土地問題克服
第7章 農業の構造変動・危機深化と農地管理課題
第8章 新農基法に見るわが国農業の新段階