出版社内容情報
いまや水辺で遊ぶ子どもは絶滅寸前に! かつて子どもたちを惹きつけた魚つかみ文化を鮮やかに再現。三世代の聞き取りからその衰退を浮き彫りにし、遊びの生態文化の立場から水辺の環境保護、自然教育に提言する。
内容説明
本書をいわゆる「生態学」の書とみられる人にとっては、実は「看板に偽り」がある。これは多くの生態学者が考える生態学ではない。何よりも大きなずれは、人間の存在や人間の働きかけを「攪乱因子」と考え、できるだけ人の影響を無視しよう、あるいは人の影響を排除しようとする(意図的であるにせよ、無意識であるにせよ)生態学を筆者たちはねらっていない。それでも、なぜこのタイトルを採用したのか。その理由は、将来、生態学が人間の影響、人間とのかかわりに自覚的なパラダイムをつくってほしいという願望による。それは、日本のように、人の影響がたいへん強い環境が優先する場を扱える学問として生態学に期待をするからである。
目次
第1章 記憶を記録に―三世代水辺遊び調査の方法
第2章 魚つかみ文化を再現する
第3章 なぜ、魚つかみはおもしろいのか?
第4章 子どもが遊んだ水辺とそこの生き物たち
第5章 生き物と子どもたちの水辺
第6章 遊び、子ども、社会
第7章 水辺に子どもの姿を呼び戻すには