出版社内容情報
人生をかけて人間との共存をめざしてクマの生態と被害防止に奮闘してきた著者が、クマの生態、生息実態、被害状況から各地の被害防止対策指針を提示。奥山放獣は著者が最初に実践開発した方法で、全国に広まっている。
内容説明
捕獲調査法、テレメトリー調査法などのモニタリングの実際から、電気柵の設置法、撃退スプレー、センサー爆竹、超音波、撃退ゴム弾など、様々な有効防御策を提示し、地域全体でクマを管理する基本構想を提唱。
目次
序章 クマと人間が共に生きていくには
第1章 被害は増えているがクマは絶滅寸前
第2章 なぜクマはここまで追いつめられたのか
第3章 強くて弱いクマの正体
第4章 被害対策の基本戦略
第5章 クマ被害対策の実際
第6章 提言―クマと共存するには
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西澤 隆
3
秋は熊が出没する季節。近所でも駅周辺に出没したり高速道路が5時間通行止めになったり。なので読んで見るツキノワグマ研究者の方の本は、保護一辺倒でも駆除一辺倒でもなく、生態や繁殖周期、日本の各地の状況などをきちんとデータを示して紹介。主に熊の生活域が人間のそれにずいぶん近づいてしまった西中国地方での実際の対処法(というよりも試行錯誤と交渉ごと)が語られる。そういえば「ガソリンの匂いが好き」は地元の山に行く人も言われてたな。道府県の取り組みや関連法令との整合性問題など「仕組みとしての対応」の話もいろいろあります2016/11/19