出版社内容情報
実篤が提唱して宮崎県に建設した「新しき村」の理念、反響、実篤の離村と村外協力、ダム水没による埼玉県への移転までの経緯を、実篤の全集、入村者たちの証言・小説・手記・手紙を博捜し、綿密な考証をもとに描く。
内容説明
武者小路実篤の理想主義に参画する青年群像…北京支部さえ誕生した武者イズムの同時代性…日向の村の実生活…をつぶさに検証して、混迷の世紀末を逆照射する。
目次
序章 80周年を迎えた「新しき村」
第1章 源流
第2章 旗揚げ
第3章 反響
第4章 創世記
第5章 光と影
第6章 共働共苦
第7章 恐慌
第8章 水没と移転
終章 新しき村の黙示録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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33
武者小路と有島の関係。二人の論争に興味をひかれています。新しき村を越える共同体建設を試みた有島武郎。北海道狩太(ニセコ町)にての共産農団をつくる。産業組合法などの制約、資本家の手が入り出す。という思いどうりにはいかずで…彼は将来に悲観的。。「そこから資本主義から逃れられず失敗に終わるだろう。理想を追い求める限り失敗に行きつく。でも頑固にその意思を通して欲しい。曲げることなく失敗して欲しい。」と、いう思いだったらしい。行き詰まった有島は軽井沢の別荘で心中を遂げる。武者小路を怒らせた→
双海(ふたみ)
21
以前つけた付箋のところを中心に読み返しました。ロバート・オウエン(英)、シャルル・フーリエ(仏)、徳冨蘆花、加藤一夫を扱った章がやはり面白かった。2016/01/25
双海(ふたみ)
13
よくまとまっている論考だと思います。先行研究に励まされつつ・・・私もがんばろう。2014/07/14