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出版社内容情報
日「満」・ソ連両軍が荒れ地の国境線をめぐって四ヵ月の死闘を繰り広げたノモンハン事件。補充兵として召集され、意味も位置もわからぬ激戦で部隊を失った農林技官が個人の眼で見た戦闘の実態を記録。
内容説明
国家と国家の狭間、犬死の戦場で翻弄される「兵士」の生死と運命。
目次
ノモンハンの一等兵(補充隊生活;新設部隊;外地へ;ハルビン駐屯;ハイラル駐屯;ノモンハン;遺骨護衛;生還)
追憶の旅(50年ののちに;上海にて;満洲里;ハイラルにて;大興安嶺;ハルビン;北京;帰国)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
10
1991年に逝去した元兵士の遺稿。ノモンハンに限らず、これまで読んだ戦記の中でも上位に来る強い印象を受けた。回想記にありがちな「神の視点」を排し、あくまでも当時の感覚の再現に努めている。戦場では自分がどこにいるのかも分からず、命令に従って右往左往するしかない。例えば「大隊本部に従って夜通しひたすら前進した」というだけの記憶が、後で調べてみると有名なノロ高地の攻略戦であった。憶えてないことは憶えてない、とはっきり書いてくれる誠実さ。精兵でも何でもない最下級の兵隊戦記として出色の内容。2024/03/02