出版社内容情報
東海道五十三次中22の宿場が置かれた交通の要地。駿遠、伊豆の多様な風土、新しい情報への敏感な感覚が多くの先覚者と多彩な地場産業を育んだ。大井川の治水、伊豆の温泉、自然を生かし、暮しを育てた里と村の知恵。
内容説明
東海道五十三次中二十二の宿場が置かれた交通の要地。富士山を仰ぎ、往き交う人びとと荷物。温暖な風土に、茶摘み歌や大漁続節が聞こえる。大井川の治水、伊豆の温泉など。自然に活かし、自らも生きてきた江戸時代の里に村に、その知恵を求めて聞き書き編んだ静岡圏の人づくり読本。
目次
前章 近世の静岡その地域振興の足どり(徳川長期政権の設計本部、駿府城;海の東海道を結ぶ港町の盛衰;多彩な風土と地勢が生んだ特産のかずかず ほか)
第1章 自治と助け合いの中で(伊豆の金山―土肥・湯ケ島などの金山の繁栄;富士川治水と新田開発―堤防に守られた加島の美田;大井川の川越し―野田三郎左衛門;田中藩文化の一揆―義民増田五郎右衛門の献身;掛川の報徳運動―岡田佐平治・良一郎父子による地域振興 ほか)
第2章 生業の振興と経承の中で(駿府の木工・漆工;熱海の献上湯;田子の鰹漁―土佐節の製法にならった田子節の生産;漆食と土蔵の町・松崎 ほか)
第3章 地域社会の教育システムの中で(伊豆の若者組;湯山文右衛門の寺子屋教育;福王寺にみる寺子屋教育;小林平兵衛と農村復興 ほか)
第4章 子育てと家庭経営の知恵(伝説のふるさと佐夜の中山―久延寺の子育て観音と夜泣石;富士講―角行東覚が布教に尽くす;斎輔霊神―民間療法の元祖となった高松才助 ほか)
第5章 地域おこしに尽くした先駆者(友野与衛門―箱根用水作りに貢献;白隠―人の心に迫る書画と民衆の救済;賀茂真淵―国学の創始者とその弟子たち;菊池袖子―土に生きた農民女流歌人;島津恂堂と元圭―地域医療にも尽くす沼津藩医の父子;江川英龍―質素勤勉に徹した名代官;戸田号進水と船大工たち―近代造船業の夜明け;下岡蓮杖―日本写真史上の草わけ)
資料編静岡(江戸時代50科東海道―文芸・歌舞伎・美術を育てる;静岡の江戸時代年表;江戸時代静岡の物産地図;江戸時代静岡の主な文献資料)