出版社内容情報
米の流通自由化は、さまざまの問題をはらみつつも、一面で生産者と消費者が手をとり、新しい生活文化を築く契機にもなりうる。本書は、この両面を見すえつつ、流通の矛盾を鋭くつくとともに、地域段階の流通を提起。
目次
序章 31年目の米価引下げ(農家に「血を流してもらう」;誰のための「自由化」か?)
第1章 自主流通米制度は消費者に何をもたらしたか?(格上げ混米―流入量を上回るササ・コシ消費量;ササ・コシ信仰―つくられた「うまい米」のイメージ;高い米=うまい米―つけ込まれる消費者の思い込み)
第2章 自主流通米制度は生産地に何をもたらしたのか?(品種の画一化―流通が生産を不安定に;良質米路線と産地間競争―農家同士つぶし合うしくみ;卸の生産への介入―分断と競争のシステムづくり)
第3章 米の生産・流通・消費を支配する卸売業者(大型精米工場―原料としての米、加工食品としての米;米のブランド商品化―完全な加工食品へ)
第4章 米の流通をあるべき姿にもどす道(地域の「空洞化」をもたらす米流通の「自由化」;地域を豊かにする農家・消費者からの流通改革)