出版社内容情報
技術と人間の関係を「生産の場における装置と労働」から考察してきた著者が、発展途上国の営為を「鏡」として、生活の全領域を包摂する「技術と人間の哲学」の構築へ踏み出した記念碑。
目次
1章 現代テクノロジーと人間の問題(ロボットと人間;情報化社会と市民の生活;現代テクノロジーと人間の問題;災害の「世界」を考える)
2章 日本の外側から―異文化を鏡として(中国とメキシコで考えたこと―第3世界、その工業化の論理;膨脹する都市―メキシコ・農民的工業化の一帰結;メキシコ・もう一つの鏡;科学・技術批判と第3世界;「インディペンデント」と「おりこうさん」)
3章 現代の「知」をめぐって―書評・時評・解説抄
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
暁人
5
チェルノブイリ原発事故について書かれたところを読むために、図書館で読んだ。▼今の社会は自動車や原発などの「制御された爆発物」の上に成り立っている。そして「二重三重の安全回路」への信頼が、それを支えている、という。▼三十年近く前に書かれたのだか、現在は筆者のいう爆発物の規模が大きくなっただけで、状況は全く同じだと感じた。そして、福島の原発事故をあたかも預言したかのように感じる。2015/02/01
Hiroki Nishizumi
1
「ひとつの国が工業化 するとき」という問題を追ってる中岡先生のエッセイ集。70年代から80年代にかけての災害や事故に絡んだ急工業化国の社会についての考察。工業化を情報化に置き換えると現代に通じる。なぜ工業化しなくてはならないのか、工業化は本当に人々に幸せをもたらすのか、工業化の光と闇を縮めるには、、、 またインディペンデントとおりこうさんのエピソードも参考になった。評価C2012/08/02