内容説明
有名な女優のもとにダイヤの盗難予告が届いた。依頼を受けたポアロは、ダイヤにまつわる因縁話の裏にひそむ秘密を、みごとに看破する――「〈西部の星〉盗難事件」をはじめ、ポアロが手がけた初期の事件14篇を収録。彼のキャラクターの形成過程を知るうえでも興味深い、女史の処女短篇集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
172
★★★★☆ ポアロの短編集。 ミステリーとしては、全体的なディテールの粗いものが多く、長編の方が面白いと感じたが、ポアロの自意識過剰で、神経質な性格は非常に印象的に描かれており、なかなか楽しめる。逆にヘイスティングスは空気となってしまっているので、その点は残念。 どんでん返しにしてやられた「ヴェールをかけた女」と、ポアロにしては単純な間違いだった唯一の失敗事件「チョコレートの箱」がお気に入りである。2018/10/06
stobe1904
139
【クリスティ初期短編集】ポアロとヘイスティングス大尉コンビの短編14作から構成されている。クリスティの短編はよく覚えていなかったので改めて読んでみたが、どの作品も切れ味抜群で、これらの作品が100年近く前のものとは、とても思えないくらい、時代を感じさせないクリスティ作品の普遍性を改めて感じた傑作短篇集だった。★★★★★2021/12/30
六点
129
ポアロシリーズ最初の短編集。14作の作品は、ポアロの失敗譚である「チョコレートの箱」を始めとし、切れ味だけは素晴らしい作品ばかりである。しかしクリスティー先生は本当に同時代の女性が嫌いだったのだなあ、と、言いたくなる。ヘイスティングズは一体『カーテン』まで何度「チョコレートの箱」と呟いたのだろうか。2022/10/29
chantal(シャンタール)
100
【第170回海外作品読書会】クリスティの初期短編集、道理でポワロやヘイスティングが若々しいわけだ。ポアロって、こんな風に喋るんだっけ?なんだかこれじゃあホームズみたいだよなあ、と思っていたら、クリスティ解説本にクリスティは大のホームズファンで、ホームズへのオマージュのような作品集と書いてあった。どのお話も長編にして欲しいくらい面白かった。解説書にはクリスティは短編に向いてないとあったが、どうしてどうして、私は彼女の短編集はどれも面白いと思うけど。再読だったらしいが、本人も忘れてるぐらい遥か昔に読んだ作品。2020/12/12
Tanaka9999
92
2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。14編。短編集。この手の小説の短編は探偵役の個性が際立つのではないだろうか。ある意味ポアロの嫌味というか、その部分がはっきり出ている。長編だとポアロ以外の部分も多く出てくるが、短編だとポアロが全面に出てくるから。でも、私はこのポアロは面白く感じる。2022/01/18
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