出版社内容情報
戦前、農業、農村問題は全知識人共通の関心事であり、そのうえに日本資本主義論争が展開され、それが戦後の民主化運動のなかで一気に花開いたのである。今日を予言した戦前の著作を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
4
近藤康男『農業経済論』1932年を梶井功(いそし)先生が解題(57頁~)。科学としての農業経済学の確立。次に、東畑精一『日本農業の展開過程』1936年を土屋圭造先生が解題(82頁~)。日本農業を動かすものは政府、加工業者、大商人、外地の地主ら。現代はJAという協同組合やアグリビジネスなども加わってくるか。国民経済の中に農業経済を位置づけた点で日本にとって意義深い研究書だということは覚えておきたい。J.A.シュンペーターが東畑先生に影響を及ぼしている。現代も技術革新なくして企業業績なしのため、今でも重要点。2013/03/05