出版社内容情報
東京近郊の北武蔵野には、化学肥料に頼らない落ち葉堆肥農法が、新田開発以来360年後の今も継承されており、首都圏に供給する野菜の持続的な生産を支えている。この「武蔵野の落ち葉堆肥農法」が、近くFAOの世界農業遺産に登録される見込みであり、「土づくりを基礎とする世界でも稀有な農耕文化」として新たに評価されている。
「大都市近郊の奇跡」ともいえるこの農法の価値を土壌生態学の最新知見や江戸期の都市と周辺農村の物質循環、欧州の農業近代化の流れをふまえ、世界的な「土と堆肥の自然力」の低下との関係から考察する。
内容説明
東京近郊の北武蔵野では、化学肥料に頼らない農法が360年も続けられている。2023年7月にFAOの世界農業遺産に認定・登録され、国際的に注目されるようになった「武蔵野の落ち葉堆肥農法」に、土壌生態学の知見や江戸期の物質循環、欧州の農業近代化との比較といった広い視野から光を当てる。
目次
序章 農業と土と肥やしと微生物
第1章 田んぼと刈敷の力
第2章 江戸・東京の糞尿はどこへ
第3章 今に息づく武蔵野の落ち葉堆肥農法
第4章 西欧農業、厩肥から化学肥料へ
終章 世界農業遺産、武蔵野の落ち葉堆肥農法に学ぶ
著者等紹介
犬井正[イヌイタダシ]
1947年東京都生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程修了、理学博士(筑波大学)、獨協大学経済学部教授、環境共生研究所所長、経済学部長、学長を歴任し、現在、獨協大学名誉教授。専門は農業・農村地理学、地域生態論。第16回「本多静六賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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