出版社内容情報
植物としての特性、無毒品種とちぎしろの開発、産業用大麻、利用の歴史、オガラ利用の懐炉灰、栃木県のほか屯田兵村の北海道、青森から鹿児島まで全国20道県の大麻の栽培・利用の歴史、栽培法、部位別の利用。
内容説明
本書は、大麻の植物としての特徴、薬物問題と大麻栽培の現状、これまでの日本での大麻利用の歴史を概観します。戦前までの日本各地で栽培・利用されていた歴史を20道県にわたって掘り起こし、栃木県の野州麻の栽培を詳述したあと、大麻の繊維、麻幹(皮を剥いだ大麻の木質部)などの利用をまとめています。忘れられようとしている、日本列島に住む人間の日常生活にかつては恩恵をもたらしていた植物資源大麻に光を当てます。
目次
1章 植物としての大麻(植物としての特徴;日本における産業用大麻の普及のための品種問題―栃木県でのアサの品種開発)
2章 利用の歴史(アサの利用特性;麻利用の歴史 ほか)
3章 各地の麻栽培(日本一のアサの生産地―栃木県(野州麻)
屯田兵の生活を支えたアサ栽培―北海道 ほか)
4章 アサを栽培する(栽培適地;栃木県での栽培)
5章 部位別の利用法(大麻の茎を利用する―精麻・皮麻・麻垢・麻幹;精麻・皮麻―茎の靱皮繊維)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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故郷山梨県では1700年頃まで大麻の栽培史実が残っていました。今では一軒も栽培農家はありません。図解でみると、大麻の用途を時間軸に沿って理解しやすいです。それは古くから生活に浸透し、神道にも通じる日本文化ですから、意識だけでも向けておきたいですね。2022/10/13
こぽぞう☆
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図書館本。表題は物騒に見えるけど、いわゆる繊維の「麻」の歴史や利用状況を述べた極めてまともな本。今、我々が「麻」と呼んで着たりしてる繊維は「カラムシ」や「リネン」で「アサ」ではないらしい。戦後GHQが「大麻取締法」を制定するまで、自家用や軍服用、普通の衣類用に大陸のものより毒性少なめの大麻がかなり生産されていたが、現在は無毒大麻(麻薬として使用不可能)が開発されたにも関わらず、生産者は全国で60人ほど、畑も6ヘクタールくらいらしい。2019/08/10