内容説明
菌根菌とそのパートナー細菌が織り成してきた世界が、これからの地球を甦らせていく力を秘めている。「真の緑の革命」への道筋を指し示す一冊!
目次
第1章 共生微生物と菌根菌の世界
第2章 作物生産に菌根菌、特にAMFの力を借りて
第3章 菌根菌、特にAMFとパートナー細菌を活かす土壌管理法、病害虫防除法
第4章 菌根菌とそのパートナー細菌を活かす農法
第5章 菌根菌と遺伝子組み換え作物、そして菌根菌の純粋培養技術の重要性
第6章 菌根菌、特にAMFの核の分取とゲノム解析への挑戦
著者等紹介
石井孝昭[イシイタカアキ]
1976年愛媛大学大学院農学研究科修士課程修了、民間企業の農薬開発部を経て、1980年愛媛大学教育学部助手、1996年愛媛大学教育学部教授、2000年京都府立大学農学部教授、2008年京都府立大学大学院生命環境科学研究科教授現職。京都大学博士(農学)。専門は果樹園芸学、土壌微生物学、クロマトグラフィー、農業教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さきん
26
チッソ固定で有名な菌根菌について。花に含まれているポリアミンやフラボイドが落花することで、土壌中の菌根菌の成長が促されることは初耳。植物が菌根菌を必要とするのは、流亡しやすいチッソや金属イオンにつながって不溶化するリンを何とか植物体内に取り入れるため。菌根菌を活かすためには軽度な耕作、モミガラやゼオライトなど土壌資材の活用、昆作など。しっかり古来の農法を科学的に検証していくことが大事なようだ。今後の解明に期待したい。2019/02/09
セヱマ
2
アーバスキュラー菌根菌の生態が解明されてきている。N、とくにPの吸収が上手ではない植物の手助けをし、お礼に炭水化物をもらっている。アブラナ科にも全く付かない訳ではなく、健全であれば必要としないだけ、だという。育苗段階での接種が理想的。そして遺伝子組み換え植物からRNAを交換してしまうことで遺伝資源の多様性を失いかねない状況があるとのこと。合わせ技で、ますますグリホサート憎し!2020/02/26
タケチャン
1
とても有用な書籍。無農薬・無肥料で作物を育てる私には、大変役に立つ。2016/02/13