内容説明
農地にとっての「豊かな土」とは何か!?「土づくり」とは何か!?…「土づくり」とは何かを根本から問う1冊。
目次
この土はよい土?
よい土とは(土の硬さと、根を支える土の厚み;排水がよく、水持ちもよい土;土の酸性度(pH)
適度に含まれる作物の養分)
よい土の条件と改善に向けて
土と堆肥の深い関係
化学肥料を上手に使いこなす
プランタやハウスの土は土ではない??―隔離された人工環境の土
土は生きてはいない、だから死ぬこともない
地球の生命をはぐくむ土
土は土である
著者等紹介
松中照夫[マツナカテルオ]
酪農学園大学教授・農学博士(北海道大学)。1948年生まれ。1971年北海道大学卒業後、農学部助手(農芸化学科土壌学講座)。1972年南根室地区農業改良普及所で農業改良普及員。1976年から北海道立根釧・北見・天北の各農業試験場にて、土壌肥沃度と作物生産の研究に従事。この間1991~92年イギリス・ノーフォークに長期研修派遣留学。1995年から現在、酪農学園大学農食環境学群循環農学類土壌作物栄養学研究室にて、土壌肥沃度と作物栄養に関する教育と研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおにし
15
作物栽培によい土の条件は4つ。(1)作物の根を確実に支えることができる硬さを厚みを有する、(2)適度に水分を保ち、かつ適度な排水ができる、(3)pHが5.5〜6.5の範囲、(4)作物に必要な養分を適度に含む(9種の必須元素)。この条件を満たせば、化学肥料の慣行農法であっても美味しく安全な野菜はできると著者は言い切っている。有機栽培農家の土信仰に近い話を聞くたびに、ちょっと胡散臭さを感じていたのでこの本の結論には納得できた。より美味しい野菜を作るために、家庭菜園の土のpHを測るところから始めてみたい。2014/04/25
Kan
3
良い土とは? ①排水性、保水性が良いバランスで植物が根を伸ばしやすい硬さと厚み。 ②適度な酸性度と養分保持能力を有し、作物が必要な養分を供給できる土。 有機農業が絶対とは限らない。化学肥料にも良い面がある。土壌の養分を見てどちらをうまく利用するかを検討する必要がある。2020/09/12
akama
1
タイトルのインパクトもなかなかだけど、内容も想像と違っていて面白かった。理系な教科書的な本かと思いきや、個人的には、その要素を基にしつつも、文学的・哲学的に「土」のことを考えさせてもらえて、知っていたことと知らなかったことを整理しながら読めて楽しかった。個人的にも興味がある「堆肥が正義で化学肥料は悪なのか」「慣行農業vs有機農業」という話も面白い。一般的なイメージは本当に是正されるべきだとつくづく思う。あくまで肥料は肥料、成分は成分なのに。もうちょっと勉強したら自分も言ってみたい。「土は土!」2018/12/23
concreteseijin
1
土÷ヒ=老 土÷子=孝 土÷与=考2015/11/05
inkchr
1
とても面白かった。有機栽培の人達は良く化成肥料を悪の化身の様に表現するがそれが根拠の無いものばかりで腑に落ちなかった。ダイソンのCM然り根拠を表示せず人の悪口を言って貶めて比較するような話には簡単に乗らないようにしなければと思った。旬の野菜は腐らないとか根拠の無い伝聞を本に書いてあるような築地の人にも読んでもらいたい。2015/08/19